2023/02/01 コラム

秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を使った特殊詐欺…その手口とは

東京高等地方簡易裁判所合同庁舎



■特殊詐欺の裁判に登場する「テレグラム」とは

テレグラムとは、秘匿性の高い通信アプリだ。特殊詐欺の裁判にはしょっちゅう出てくる。A男は「いとこ」に運転免許証の画像を送った。特殊詐欺の裁判では「伝えた個人情報をもとに脅された。親も殺すと脅され、もう逃げられないと思った」という話がよく出てくる。

乙2号 「明日、行けますかと…指定する場所に来てください…イヤホン、帽子、軍手を買ってきてください…作業着、ガムテープも…」

「吊り下げの名札」とかいろいろドンキホーテで買い物をさせられた。ドンキの店内カメラの記録、A男の車の中に残っていたレシートなどがすでに証拠採用されている。

乙2号 「コンビニで、データをもらい、印刷…自分の顔写真の身分証がプリントされ…」

これは私は初めて聞いた! 免許証の写真をもとに氏名不詳者らは偽の身分証の画像データをつくり、コンビニでカラープリントさせ、「吊り下げの名札」に入れさせ、ガスの点検員を装わせたのである。絵図は完全にできあがっており、実行犯はなーんにも考えずただ指示に従えばいい、そういうシステムなんだね~!

乙2号 「S男に初めて会った…指示どおり現場へ…」

S男は共犯者である。実行の直前に初めて共犯者に会うんだ、へえ~。

乙2号 「作業着に着替え、指示された部屋へ行き、指示されてインタホンを押し…この部屋に入って何か犯罪をすることになるのではないか…不安…」

インタホンを押した時点でまだ強盗をやることを知らないって、すごくない?

乙2号 「その後、氏名不詳者からの指示で(被害者の72歳男性を)押し倒した…S男が、指示でガムテープを巻いた…」

すべての行為が「指示で」だった。なーんにも考えず、指示されるがままに動けば、強盗が実行できてしまうのだ。

ドライバーWeb編集部

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