2023/12/25 コラム PR

【大型SUV向けサイズも登場】ブリザックVRX3で北海道旅…ブラックアイスバーンにも遭遇

モータージャーナリスト・藤島知子がブリザックVRX3を試す



2021年に登場したブリヂストンのブリザックVRX3。ブリザック史上最高の氷上性能に加えて、長持ち性能なども引き上げたプレミアムスタッドレスタイヤだ。発売からすでに3シーズンがたち、その評判はあちこちから聞こえてきている。

また、最近のトピックはSUV向けサイズ(215/70R16から225/45R21までの12種類)が追加されたことだ。

これまでもブリヂストンのSUV専用スタッドレスタイヤとしてDM-V3という商品が存在していたが、そちらは雪上メインでウインターレジャーにガンガン行く人にピッタリ。VRX3は、街なかなどを中心に走る人、氷板路での性能を重視したい人にオススメのモデルとなっている。



そこで今回は、日産エクストレイルにブリザックVRX3を履かせて北海道・旭川を巡る旅。テストコースやスケートリンクではない、リアルワールドでその実力を試すためだ。

■暖かかった北海道…溶けて凍った路面があちこちに

とはいえ、撮影を行った2023年12月上旬の旭川は思ったよりも暖かかった。なんと日中の気温はプラス。日中溶けた雪が夜に凍って路面はツルツル…。特に朝方は、一面アイスバーン。路面が黒く見えても、表面が凍っている「ブラックアイスバーン」の可能性もあり、非常に怖いシチュエーションだった。


●車両は、日産エクストレイル(4WDモデル)。タイヤサイズは235/60R18を装着

旭川駅周辺を出発し、まずは街なかに張った氷の上を走る。クルマから降りて路面を確認してみると、すぐに転んでしまいそうなぐらい滑る状況だ。この上をブリザックVRX3で進むと、まず安心感が高いのは「真っ直ぐかけ出せる」こと。発進時にハンドルを取られたり、不安になるようなそぶりがないのだ。

そしてブレーキングでは、路面にしっかりとコンタクトしている様子が伝わってくる。強めのブレーキではもちろんABSも作動するが、空走することなくクルマをしっかりと止めにかかってくれる。交差点の右左折でもスムーズに運転可能。氷の上での安心感はさすがだ。

気を良くして、旭岳へと向かう。旭岳は、標高2291mと北海道でもっとも高い山。街なかに圧雪路がなくとも、旭岳まで行けばあるだろう…というわけだ。


●ブラックアイスバーンに遭遇したシーンは動画(3分36秒付近)にて

その道中、北海道らしい真っ直ぐな道で「アレ」に出くわした。雪はまったく積もっていない黒々とした路面なのに滑る…そうブラックアイスバーンだ。

前方を走るクルマがヨロヨロしていると思い、こちらも軽くブレーキングしてみたら、単なるウエット路面とは違う感触。「これがウワサの…」と思いつつ軽いブレーキを続けていたら、しっかりと止まってくれたので助かった!

ブラックアイスバーンは、路面がちょっと濡れているかな…ぐらいと思ってスピードを出していると危険。その実はアイスバーンなので、速度域が高いと止まれない可能性もある。とは聞いていたが、実際に遭遇すると突然すぎてちょっと焦ったのは正直なところだ。みなさんもこの冬、ご注意ください。

ブリザックVRX3の氷上性能は、先代VRX2と比較して20%も引き上げられているという。進化するたびにこれらの数値は積み上がっていくわけだが、20%という伸び幅はあまり見かけない。ブリザックVRX3は、それだけ氷上性能に力を入れたスタッドレスタイヤなのだ。(※)

■楽しい雪道ドライビング


●後ろに見えるのが旭岳。夏場は登山、12月から5月まではオープン期間が日本で最も長い「旭岳スキーコース」が人気だ

旭岳までの道は、気持ちのいいワインディングが続く。除雪も行われ、しっかりとした圧雪路だった。

氷上性能と雪上性能は相反する部分がある。すでに氷上での性能は確認済みだが、圧雪路でのブレーキやハンドリング性能はどうなのか?と思いながら走ってみたが、その素直なフィーリングに驚かされた。軽くブレーキ、軽くアクセルといった微妙な操作にもクルマが反応する、つまりタイヤが雪をつかんでいるため、安心感が非常に高いのだ。

圧雪のクネクネ道を走る際、怖いのはハンドルを切った瞬間にクルマが反応しないこと。「あれ?」と思ってさらに切り足してしまうと、今度は思った以上にクルマが向きを変えすぎてスピンに至ることも…。だからタイヤが素直にグリップしてくれて、素直にクルマが向きを変えてくれるのは頼もしい。ドライビングがとても楽しくなってくる。



しかし旭岳まで向かう道(道道1160号線)は楽しいワインディングだ。目線の高いSUVに乗っていたのもあり、気持ちのいい見晴らしに気分が上がる。頂上付近には日帰り温泉施設などもあり、これを目的に雪道ドライブするのもオススメだ。

■旅の最終目的地は…大人気スポット


●ブリザックVRX3は、滑りの原因である氷上の水膜を素早く除去する発泡ゴムがさらに進化。また、「4年後も性能が劣化しにくい」という長持ち性能を併せ持っている(※)

旭岳周辺で雪上ドライブを楽しんだあと、そのまま同じ道で下山。数時間前までは圧雪路だったのに、日向の雪は溶けてシャーベット状になっていた。そんな刻々と変わる状況でも変わらぬグリップ感を与えてくれるブリザックVRX3。氷、雪、シャーベット、ウエットにドライ…グラデーションのように変化する路面状況に対応してくれる様に、さすが北海道での評判もうなづけるところだ。

最後に、ドライ路面の印象も付け加えておきたい。スタッドレスタイヤといえばドライ路面で「シャー」といった高周波ノイズが付きもの。氷や雪に効く細かなサイプがその音の発生源だから、スタッドレスタイヤと「シャー」音は切り離せいないものだと思っていた。

しかしブリザックVRX3は、高周波ノイズがとても穏やか。少し音楽をかけていたらわからないレベルかもしれない。これなら降雪地域の人だけでなく、「雪道を走るのは週末レジャーだけでふだんはドライ路面」という人にもオススメ。スタッドレスタイヤとしては素直なドライでのハンドリングや乗り心地にも満足できるだろう。


●美瑛町にあるクリスマスツリーの木。駐車場はないので、邪魔にならない場所に停めて見学しよう

旭川空港までの帰路。「クリスマスツリーの木」に立ち寄ってみた。雪原の中にポツンともみの木があるスポットだ。道中、天気が怪しくてどうなるかと思ったが、クリスマスツリーの木に到着したとたん晴れ間が差してきた。旅の終わりに、最高の景色だった。

安心感を持ってドライブできるからこそ楽しめる冬の北海道。ブリザックが北海道で確かな信頼感を得ていること、それを実感した旅だった。

(※)BLIZZAKの詳しい情報はこちら

〈まとめ=編集部 写真=山内潤也〉

ドライバーWeb編集部

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