2021/11/08 旧車

乗り手を選んだポルシェ911の記憶[driver 1989年2-5号より]

driver1989年2-5号より


■データが証明した“生命力”



中途半端に回転数を上げてハーフクラッチを多用しようものなら、ディスクの表面は一気に焼け、滑り出してしまう。ここ一番という場合は、景気よくレブリミットまで回し、ドカンと一発でクラッチミート。


<測定条件>日時:昭和63年12月3日/コース:(財)日本自動車研究所・総合試験路テストコース/天候:晴れ/気温:8℃/湿度:82%/気圧:1,024mb/風向・風速:北2m/S

225/50R16のRE71が、“ギャッ”と悲鳴をあげる。だが、グワッと後輪へ移る荷重とRRレイアウトは、それを長く許しはしない。グリップはすぐに回復し、力強く路面を蹴りながら加速。6,000回転まで引っ張る。

スパン、スパン!とシフトワークが決まり、4速へ。いつもの右足ベタ踏みとは異なり、瞬間的にスロットルを閉めるが、タイムロスは少ない。400m地点を13.92秒で通過。14秒台突入は予想していたが、まさか13秒台とは。いまさらながら、そのパフォーマンスには驚かされる。

ついでに筆者の911S(‘72)も体力測定したところ、0→400mを、なんと15秒34で走り切ってしまった。満16歳の“実用”スポーツカーが、現代でも通用するデータをたたき出したのだ。911をほめるべきなのか、最新のハイパフォーマンスカーがそれほど進歩していないのか、本当にわからなくなってくる。ただ、911が恐るべき生命力を持っていることだけは間違いない。

〈文=萩原秀輝〉

ドライバーWeb編集部