2021/04/04 新車

航続距離は最大770km! BEVのSクラス、「メルセデス・ベンツ EQS」の性能が本国で明らかにされる【4月15日に正式発表】




■風切り音まで計算した静粛性へのこだわり


ラグジュアリーカーとしての実力も申し分なさそうだ。とてもフラットなフロントウインドーを持つ、ほぼワンモーションの4ドアクーペフォルムを持つEQSは、前面投影面積は2.51㎡に抑えられ、スムーズなアンダーボディやアローシェイプの前後ホイールスポイラーやリフト低減と低ドラッグを目的としたリヤスポイラー、Aピラー形状の最適化、格納式ドアハンドルの採用などにより、Cd値が0.20と量産車世界最高となっている。フロントのルーバーはBEVであるため、走行中はほぼ閉じたままだ。

EQS
●擬装が施されたメルセデス・ベンツ EQSのテストカー


また合わせガラスの採用や、サイドウインドーシールの最適化、ボディへの吸音フォーム採用、2つの遮音壁を備えたテールゲート、eATSへの特殊なフォームマットを用いたNVHカバー採用などにより、電動化により一層の風切り音低減が求められるなかで、クラストップレベルの静粛性および低振動を実現したという。

カーボンニュートラルを実現したジンデルフィンゲンの「ファクトリー56」で生産されるEQSは、リサイクル繊維を用いたフロアマットなど、総重量80kgを超えるパーツがリサイクル材または再生可能材で作られるなど、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)の点も十分に考慮されている。

現時点では明らかにされていないが、自動運転技術についても最先端のテクノロジーが盛り込まれるのは確実だ。EQSはプレミアムBEV市場を狙う世界中の自動車メーカーへ大きなインパクトを与えることになりそうである。


<文=竹花寿実 text by Toshimi Takehana>



ドライバーWeb編集部・青山

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