2020/12/22 コラム

日本最大級の自動車博物館がなぜ石川に!? 展示車はどうやって集めたの? 今こそ訪れたい日本自動車博物館の魅力とは

●日本自動車博物館(石川)の副館長・高川秀昭氏


世界の自動車博物館探訪



メルセデスベンツ博物館

ドイツ自動車産業の中心地、シュトゥットガルト市の中心部から東に向かうメルセデスベンツの製造工場に隣接する地域。2006年に新規に開業した、近代美術館のような建物が目の前に出現する。正面入口を入ると、最初は長いエスカレーターで最上階に出てから、螺旋階段のような作りで古い年代から新しい年代までの各種メルセデスモデルが展示されている。他メーカーの展示はほぼない。




隔年開催されてきたフランクフルトモーターショーでは複数回に渡り、メルセデスベンツブースがこの博物館に類似した形状を採用した。メディア公開と一般公開で2週間弱の開催期間中の経費が数十億円とも言われていた。

今年3月以降は新型コロナウイルスの影響を鑑み、博物館内をオンラインで巡るバーチャルツアーも開催。そのほか、博物館の入場者向け立体駐車場を使い、Sクラスが車内が無人で移動する自動運転レベル4での自動パーキングの実証を行い、新型Sクラスで量産化した。

ヘンリーフォード博物館

米自動車産業の中心地、ミシガン州デトロイト市街とデトロイト国際空港との間に位置するディアボーン市。フォード本社屋や研究開発拠点などが広がる地域。周辺には60年代に建てられた平屋作りの住宅が多い。

その一角にあるヘンリーフォード博物館はフォード車に限定せず、デトロイトの通称モータウン(モータータウンの短縮系)におけるアメリカンカルチャーや、50~60年代に開拓されたカリフォルニア州で一気に広がったモータリゼーションを紹介する自動車文化博物館といった雰囲気がある。

JFケネディ大統領が使用した専用車や、ホットドックの形状を模したエクステリアが特長の移動販売車などの様々な特殊車両も随時展示されている。また企画展として、航空機や宇宙関連での科学技術についての出展もある。

もちろん、自動車の大量生産時代を先取りしたフォードT型の製造に関する資料なども豊富に取り揃えている。映画館も併設しており、巨大スクリーンのV-MAXが圧巻だ。

〈文と写真=桃田健史〉

ドライバーWeb編集部

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