2023/03/22 コラム

目指せフランス! ルノー ルーテシア燃費チャレンジ800kmの旅

●ひたすらエコランで走った800km。優勝なるか?



■運命の2日目、ここからが“地獄”だった…。

現在、燃費値は3.1L/100km。頑張ればさらによい数値も期待できるはず。気合いを入れてルーテシアのスタートスイッチを押し、発進した。再び高速道路に乗り、一路萬翠荘を目指す。

しかし、1日目の道とは異なり、やたらゆるい勾配が多い。短い上り坂ならまだ対策のしようもあるのだが、ゆるくて長い上り坂がひたすら多いのだ。

頑張ってEV走行を続けていると、あっという間にバッテリーがひと目盛り、ふた目盛りと減っていく。そこで、回生充電をしようとすると、坂なので最低限の車速を維持できない。仕方ないので、少しアクセルをあおり、車速を上げてから回生させる。しかし、バッテリーの目盛りがなかなか増えない…(汗)。

ここからはひたすら我慢の運転が続いた。

姫路を抜け、岡山県に入り瀬戸大橋にたどり着くも、燃費計の数値は3.2と3.3の間を行ったりきたりしていた。バッテリー残量もなかなか増えない。

私がどうにか編み出した対策は、少し加速させてそこから減速して回生→バッテリーが少しでも溜まったらEV走行→バッテリーがなくなったらまたこれを繰り返すという、苦肉の策だった。


●瀬戸大橋でも必死のエコランが続く。景色を楽しむ余裕はない

香川県に入ってからも状況は変わらず、思わず歯ぎしりしたくなるような心境だったが、どうあがいても燃費計の数値は好転しなかった。最終的に3.3/100kmになった状態で、最終ドライバーの赤羽根にバトンタッチ。私が運転するノート オーラのバックミラーに映るルーテシアも、かなり苦労して走っている様子がうかがえた。


●パートナーの赤羽根も、坂に苦しめられている様子だった

そしてついに愛媛県松山市に突入。最後は残りわずかな一般道での燃費にかけるしかない。一般道では信号があるため、またはぐれないように慎重にノート オーラを走らせる。ルーテシアも我慢の走り(かなりゆっくり)で最後の希望を見出そうとしている。


●松山市内の一般道。しかし、燃費は……

ついにゴール直前まで来たとき、以前にここにきたことがあるカメラマンから一言「最後はかなりきつい坂を登るよ」

あぁ……なんと無情な……(泣)。


●ここが目的地「萬翠荘」の入り口。山道のような傾斜だった

ゴールの萬翠荘までの道はかなり狭く、確かに急斜面だった。燃費が最後に落ちてしまわないか心配だったが、最終的には3.3L/100km(約30km/L)でゴールイン。結局、最良値の3.1L/100kmよりは低下してしまったが、ここまでの道のりを走ってきてこの数値は、2人とも結構頑張れたほうだと思いたい。


●なんとか3.3よりは悪化せずにゴール。お互いよく頑張りました


●ゴールの萬翠荘で記念撮影

競技車両のルーテシアはすぐにスタッフに引き取られ、そこからはノート オーラで移動することになったが、ノート オーラもその時点で22.5km/Lを記録していた。


●ノート オーラの燃費計


●松山市内を走る路面電車とノート オーラ

長いようで終わってみればあっという間の、濃密な3日間。大変だったけれど、いろんな意味でいい経験だった。改めて、この大会を開催してくれた、ルノー・ジャポンに感謝しきり……優勝できればいいなぁ。

〈文=ドライバーWeb編集部 写真=山本佳吾〉

ドライバーWeb編集部

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