2023/02/14 コラム

「枝葉に隠れて標識が見えなかった」の主張は通る?それでも違反?じつは!

見えにくい!見えなかった!



■道交法ではどうなっている?

まず第4条第1項がこう定めている。都道府県の公安委員会は、要するに交通安全のために、政令で定めるところにより、信号機または道路標識等を設置し、及び管理して、交通の規制をすることができる、と。

「制令で定めるところにより」の「制令」とは、道路交通法施行令(以下、施行令)だ。その第1条の2第1項、ちょっと長いけども全文を引用しよう。

「法第四条第一項の規定により都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)が信号機又は道路標識若しくは道路標示を設置し、及び管理して交通の規制をするときは、歩行者、車両又は路面電車がその前方から見やすいように、かつ、道路又は交通の状況に応じ必要と認める数のものを設置し、及び管理してしなければならない。」

「前方から見やすいように」としっかり定めている。例えば樹木の枝葉が標識板を隠しているようなケースは、「管理」の義務を怠っていることになる。

指定速度(標識による制限速度)違反の刑事裁判では、起訴状の最後の部分、「罪名及び罰条」のなかに必ず施行令第1条の2第1項が入る。甲号証には必ず、標識の設置状況、視認状況を立証するための写真(写真撮影報告書)がある。それほど標識は大事なのだ。

標識による交通規制は、適法な標識があってこそ成立する。見にくい標識は、法律上有効な標識とはいえない。有効ではない標識による規制は無効。違反は成立しない。当たり前のことだよね。

ドライバーWeb編集部

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