2021/12/21 モータースポーツ

「川名賢のラリー・セヴェンヌ参戦記 05」レキは具体的にこのように行います。これがラリー本番に備える一番の重要な作業!



■ヨーロッパラリーならではのステージ



ステージは次第に街へ近づいてきました。こんな民家の前や街のなかを全開で走れるのもヨーロッパならでは。家の軒先の花壇や玄関の階段の出っ張りに、クルマの側面をヒットしないように気を付けないといけません。ドライバーシートから死角を多く感じるシチュエーションです。レキの時点から街の人々がレキ車に手を振ってくれて声援をくれます。現地の人にとっては家の前をラリーカーが走るのは、名誉なことだとも聞いたことがあります。

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いよいよステージは後半戦へ。お待ちかねの超高速ダウンヒルステージが待ち構えます。景色がいいステージは、時にドライバーの勇気を試してきます。恐怖に打ち勝ってアクセルを踏むには正確で丁寧なペースノートを作ることが必要不可欠です。

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ダウンヒル区間が終わるとステージはいよいよ大詰め、ラリーカーは爆音を響かせながら超高速で畑の中を突っ走ります。路面のうねりとコースの内側のインカットを利用して、ちょっとでも多くアクセルを踏めるラインをレキで探します。前走者によりインカットされた場所は泥がコースに吐き出されるため、自分が走る頃にはコースが荒れてコースアウトの危険性があります。なので、インカットができるか否かはレキでのチェック必須項目となります。

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一番奥の「クレスト」に向けて5速全開で走り抜けますが、その手前の少しきつそうな右コーナーで「左足ブレーキを小さじ一杯」ほど当ててあげるとマシンが安定してよりタイムが出そうですね!

皆さんレキトラベルはいかがでしたか?!

こんなふうに、実際のラリーではいろいろなことを考え、想像しながら法定速度でレキをしてペースノートを作ります。

2日間のレキも終わり、ラリーカーの車検も無事終わりました。

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車検場にはご覧のようにさまざまなクルマたちが!

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明日はいよいよラリースタートです!!




<文=川名 賢 Suguru Kawana>




ドライバーWeb編集部・青山

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