2021/01/11 コラム

なぜ不起訴に? 演歌歌手・小金沢昇司さんが酒気帯び運転・追突事故で逮捕…不起訴の理由とは



(4)検査装置の故障が発覚?

2003年、酒気帯び運転の検査装置が「誤作動」を何度も起こしたと問題になった。警察庁の報告書によると、装置内部と呼気との温度差で生じた結露が、検査結果に影響を与えたのだそうだ。そもそも呼気検査は、3回測定して平均値や最低値をとったりしない。ぶっつけ本番、1回勝負だ。検査装置は絶対に正確でなければならない。小金沢さんの呼気検査において何らかの誤作動があった可能性を否定することはできない。


●2003年に発生した呼気検査装置の誤作動について2005年に警察庁が作成した文書

また、警察官のミスもあり得る。例えば、1回で使い捨ての呼気採取袋を使い回していたり。保有の認識についての自白調書が、検察官の目からは甘かったり。あるいは装置の定期点検を怠っていたり。


●呼気検査装置「北川式呼気中アルコール測定機 DPA-5」の取扱説明書より。「清水でうがいを」とあっさり書かれているが、うがいは検査値に影響する


●同じく取扱説明書より。呼気検査で使用する呼気採取袋、いわゆる風船は使い切りなのだ。

検察官は、裁判官が有罪にしやすい形をきっちり整えようとする。「弁解の余地がない。深く反省している」と言っていたドライバーが、法廷で否認に転じることはある。そのとき、万が一にも無罪を食らってはならない。芸能人が酒気帯び運転で無罪となったら大きく報道される。警察、検察のダメージは大きい。慎重にチェックした結果、何らかのミスが発見されたのかもしない。

ドライバーWeb編集部

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