2021/01/11 コラム

なぜ不起訴に? 演歌歌手・小金沢昇司さんが酒気帯び運転・追突事故で逮捕…不起訴の理由とは



(1)うがいをさせなかった?

アルコールは小腸等で吸収されて体内をめぐる。脳へ運ばれ運転がヤバくなると同時に、肺へも運ばれ呼気に出る。その呼気を容量1リットルのやや四角いビニール袋(呼気採取袋。通称、風船)に吹き込ませ、検査装置でアルコール量を調べる、それが呼気検査だ。口腔内の粘膜や食べかすや歯周ポケットなどに微量でもアルコールが残っていると、ダイレクトに検査値を高める。なので検査装置の取扱説明書には、検査の前にうがいをさせるよう記載されている。パトカーには、検査装置といっしょに水のペットボトルと紙コップが積まれている。

私は以前、『ラジオライフ』(三才ブックス)のある企画で呼気検査をくり返しやったことがある。徹底的なうがいと、肺の空気をぜんぶ入れ換えるような深呼吸が、検査結果に大いに影響することを体験した。でもそんなことを知るドライバーはほとんどいないだろう。体内のアルコールを薄めようと、うがいもそこそこに水を飲んでしまうことが多いんじゃないか。小金沢さんは、紙コップの水をくいっと一気飲みし、そのシーンが本人のクルマのドライブレコーダーにしっかり録画されていたとか? ドラレコの録画は今どき、妨害運転(通称、あおり運転)の重要な証拠とされる。ドラレコは無視できない。もしまずいシーンが録画されていれば、検査結果は証拠にならない。検察官としては不起訴にせざるを得ない。

ドライバーWeb編集部

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