2023/09/21 新車

Google搭載「ホンダ 新型 アコード」先行公開…画面連動型・斬新ダイヤルの使い勝手は? 

●ボディカラーは新色のキャニオンリバーブルー・メタリック。全5色を設定



■フラッグシップに恥じぬ進化

シリーズ・パラレル切り換え式HVのe:HEVは、2Lエンジンを先代のポート噴射からシビック/ZR-Vと同じ直噴に一新。さらに、2モーター内蔵の電気式CVTが国内ホンダ初の最新型に進化している。これまで同軸配置だった走行用と発電用のモーターを平行に配置。空いたスペースにそれぞれギヤを持たせることで、モーターとエンジンの各レシオを最適に制御できるようになったという。モータートルクも強化され、加速性能と静粛性をともにレベルアップさせている。空力性能の進化と相まって燃費も向上しているはずだ。


●インパネ中央のダイヤルを回転させることでセンターの12.3インチディスプレイにフィードバックを表示。空調やオーディオ、照明など自分好みの設定をすぐに呼び出せる

ダイナミック性能についても抜かりない。プラットフォームや前ストラット/後マルチリンクのサスペンション、デュアルピニオンのVGR(可変ギヤレシオステアリング)といった基本構成はキャリーオーバーだが、もちろん入念にアップデートされている。

さらに、操舵に応じて瞬間的に駆動トルクを弱め、フロントへの荷重移動で旋回性を高めるマツダのGVCと同様の新機能を採用。また、減速セレクターは回生量を従来の2倍に増やし、パドル操作だけでコーナーを曲がれる走りの楽しさも実現しているというから楽しみだ。

そして、先進運転支援システムも大きく進化している。2021年秋に技術発表された「ホンダセンシング360」が、新型アコードでようやく日本にも導入されるのだ。約100度のフロントワイドカメラに加え、フロントと各コーナーに計5台のミリ波レーダーを装備し、文字どおり車両周囲の360度センシングを実現。従来のホンダセンシングに機能をさらに加え、安全性をいっそう高めている。2025年にはハンズオフ機能などの次世代技術も搭載予定だ。

国内販売2年11カ月と短命に終わった先代の無念をどこまで晴らすことができるか。スタイリングに目新しさはさほどないものの、アメリカンに大型化したここ数代のなかでは、日本のユーザーの感性にもっとも合うデザインではないだろうか。

今やアコードもすっかり高級車の部類だが、価格しだいではセダン市場に新しい風を吹き込むかもしれない。勝ち目のなかったライバル、カムリが今年12下旬で国内生産終了となるツキもある。


●運転席側のエアコンの温度を下げるとエクスペリエンスセレクションダイヤル内の表示が半分青に(上げると赤に)。アンビエントライトとも連動する


●ホンダアクセスが手がける純正アクセサリーも同時先行発表。写真はボディ同色のエアロパーツと光輝仕上げのアルミホイールを装着した「ツーリングライン」。これらを黒でまとめた「スポーツライン」も設定する

〈文=戸田治宏 写真=山内潤也〉

ドライバーWeb編集部

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