2023/09/20 新車

走りに妥協はないのか「レクサスLBX」初試乗

●試乗車は欧州仕様のプロトタイプ(FF)。後輪モーター駆動の4WDもラインアップする。全9色のボディカラーを設定(写真はディープアズールマイカメタリック)

2023年9月中旬、富士スピードウェイで「LEXUS SHOWCASE」と題したメディア向けのイベントが開催された。このイベントは23年にワールドプレミアを行った、これから発売を予定するレクサスのニューモデルを一堂に集めて展示。併せてプロトタイプ車両の体験試乗の機会も設けられた。そのうちの1台が、ここで紹介するLBXだ。

同車は1.5Lの3気筒エンジンを積む、レクサス史上もっとも小さなクロスオーバー。その位置付けは「週末に買い物へ行くときのカジュアルな装いとは?」の答えだという。さながら上質なスニーカーといったところだろうか。スタンスはいい感じ。走りはどうか。

【画像】内外装に高級感!レクサスLBX

■ヤリス クロスとは別モノ

LBXは、レクサスが初めて送り出すBセグメントのコンパクトクロスオーバーモデルだ。世界初披露がイタリア・ミラノで行われたように、主力市場はそのカテゴリーの本場である欧州。そして、やはりコンパクトの人気が高いお膝元の日本である。


●メーターは12.3インチの大型フル液晶。ヘッドアップディスプレイとステアリングスイッチを連携させることで、視線の移動を抑えて運転に集中できる環境を整えた。中央のタッチディスプレイは9.8インチサイズ

車名は「レクサス・ブレークスルー・クロスオーバー」の頭文字。従来のレクサスと異なるネーミングには、これまでの高級車の概念もクラスのヒエラルキーも打ち破るという開発陣の願いが込められた。ミニ、アウディQ2、DS3といった欧州勢に勝負を挑む最小のレクサスだ。日本勢の従来モデルでは、上質なコンパクトクロスオーバーというコンセプト、ボディサイズの両面でマツダCX-3のイメージが近い。

世界初披露がファッションの街ミラノで行われたワケはもうひとつある。LBXは新しいグレード体系として5つの世界観を設定。さらには内装色・シート素材・刺しゅうパターンなど、約33万通りの組み合わせから唯一無二の一台をオーダーできる「ビスポークビルド」を用意するのだ。

LBXはヤリス クロスをベース車両として開発されているが、内外装の共通点は後席のシート形状くらいしか見当たらない。ドアハンドルにはレクサス独自の電子制御式「e-ラッチシステム」を採用。Bセグメントとしてはじつに贅沢。

「プレミアムカジュアル」がコンセプトのデザインは、ダイナミックで若々しいスタイルのよさが印象的。レクサスの新しいフロントフェイス「ユニファイドスピンドル」は、とどまることを知らない同ブランドの進化を主張する。伸びやかなノーズも特徴だ。全長はCX-3より若干短いが、ホイールベースはLBXのほうが長いのだ。

スタイルのよさはヤリス クロスより2ランク大径化したタイヤも一因で、なんと兄貴分にあたるCセグメントのレクサスUXよりも大きい。それをボディに収めるため、レクサス初採用のGA-Bプラットフォームには大幅な改良が施されている。「ヤリス クロスと一緒の部品はサイドメンバーの組み幅くらい。サスペンションもほとんど別モノになっています」とは、遠藤邦彦チーフエンジニア。


●パワーユニットは1.5Lエンジン+モーターのHEVのみ。バイポーラ型ニッケル水素電池を搭載し、モーターアシストを強化した

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING