2023/01/19 コラム

スズキ ソリオに復活したフルハイブリッド…マイルドハイブリッドとの違いは? まさかの死角も発見

●オーナメントも既存のマイルドハイブリッド車と差別化。シルバーとブルーの前者に対し、ハイブリッドのベース地はブラック。ドアハンドルもメッキ仕立てとなる



■まっ、まっ、まさかのアレがない!?

HVは高速巡航も得意。100㎞/h時のエンジン回転数は、バーグラフ状のタコメーター読みで、MHEVの約2000回転に対して約2600回転と高め。でも、巡航時に耳に届く音はHVのほうが明らかに静かなのです。これはCVT特有のノイズ(動作音)によるものと思われます。もちろん耳障りというほどではありませんが、乗り比べるとHVのほうが踏み足した(中間加速の)際のエンジン音もクリアに聞こえ、加速の伸びもエンジン回転数と同調したギヤ駆動らしい気持ちよさが感じられます。どちらも同じエンジンなのに、引き出す方法でこれほどの違いがあるとは…。


●EV走行時には葉っぱ状のEVランプが点灯。頻度はそれほど多くないので、つくとなんだかうれしい

今回、高速巡航におけるEV走行(メーター内のEV表示点灯)の頻度は、メーター読みで75㎞/h程度まで確認。ただしスロットルオフでエンジンが止まるも、踏んだとたんに始動します。ほぼアイドリングストップの感覚ですね。これが30〜50㎞/hであれば積極的にエンジンを止めて、EV然としたわずかな高周波音を伴いながら、モーターだけでスルスルと走ります。走行シーンとしては、市街地から郊外路、少し流れが滞った都心高速が当てはまります。

あらためてMHEVとHVを乗り比べて、前者は市街地などのふだん使い、後者はそれより高めの速度域と得意な領域が異なることがよくわかりました。クセがなく、コンパクトカーとして全方位でバランスのいいMHEV。これに対して、積極的に走らせる楽しさを含めた “ツアラー的” な項目を伸長させたのがHVといえるでしょう。


●こちらはソリオ バンディット「ハイブリッドMV」(価格:200万6400円)。ボディカラーはメロウディープレッドパール ブラック2トーンルーフ(4万4000円高)

それだけに惜しすぎるのは、HVのACC(アダプティブクルーズコントロール)の追従機能が40㎞/h以下で解除されてしまうこと。ちなみにMHEVのACCは停止まで追従する全車速型なのです。HVへの全車速ACCの未設定は技術面の問題ではなくコスト的な判断とのこと(スズキ広報部談)。ちなみにHVの価格は224万6200円で、これはMHEVの約24万円高。確かに「これ以上の価格差は」というメーカー側の気持ちもわからなくもないですが、せめてオプション設定があってもよかったのでは?と思うのです。


●ハイブリッドSV(写真)のスポイラーは同MVよりサイドまで回り込ませたバックドアサイドスポイラーとして差別化。装着タイヤはどちらも165/65R15サイズのダンロップ エナセーブEC300+

〈文=ドライバーWeb編集部 写真=岡 拓〉

ドライバーWeb編集部

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