2023/01/19 コラム

スズキ ソリオに復活したフルハイブリッド…マイルドハイブリッドとの違いは? まさかの死角も発見

●オーナメントも既存のマイルドハイブリッド車と差別化。シルバーとブルーの前者に対し、ハイブリッドのベース地はブラック。ドアハンドルもメッキ仕立てとなる



■リソースを活かしつつ性能を強化

復活したHV。システムはMHEVと同様にエンジンが主体です。駆動用モーターと5速マニュアルトランスミッションをベースとしたシングルクラッチATのAGS(オートギヤシフト)を組み合わせた、スズキ独自のパラレル式。最高出力13.6馬力、最大トルク3.1㎏mのモーター性能は先代と変わりありませんが、60㎏増えた車両重量に対応すべく電池容量を4.4Ahから6Ahに拡大しています。これによってEV走行距離も少し延びています。

見た目はほぼ同じの両車。でも、走りの感覚はまったく別モノでした。ざっくり言えば、MHEVの加速はスムーズだけどキレがなく、もわ〜っと伸びる。一方のHVは、きびきびと走るけれど、変速がやや “クセ強” といった具合。


●ハイブリッドSV。エンジンはどちらも最高出力91馬力/最大トルク12.0㎏mを発揮する1.2L 直4のK12C型だ

トルコンを介さない2ペダルMTは、駆動力の伝達に優れる半面、ギヤチェンジの際に加速が一瞬途切れて減速するような感覚がネック。その駆動トルクの落ち込みをAGSのモーターが “半クラ” のように補ってくれるのですが、それでも変速時のショックは確実にあって、頭が前後方向に軽く揺す振られます。それは、発進時にCVTやトルコンAT感覚で強めにアクセルを踏んだときにより感じられます。

だからといって、一昔前の2ペダルMTのように変速時にアクセルを緩めるようなことは無意味…というかAGSが変速を迷ってしまうので逆効果。それでもコツはありそうで、例えば、変速に合わせて一瞬アクセルペダルをパーシャル状態にし、そこから再度踏み込む…といった具合に、スムーズに走らせる方法を探るのがけっこう楽しかったり。その点CVTのMHEVは、何も考えなくてもす〜っと加速します。同乗者のウケがいいのはこちらでしょう。


●HVのステアリングにはパドルシフトと駆動力の発生を抑えてEV走行の頻度を高めるエコモードスイッチが備わる。本革ステアリングとシフトノブはバンディット全車に標準

ドライバーWeb編集部

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