2023/01/19 コラム

スズキ ソリオに復活したフルハイブリッド…マイルドハイブリッドとの違いは? まさかの死角も発見

●オーナメントも既存のマイルドハイブリッド車と差別化。シルバーとブルーの前者に対し、ハイブリッドのベース地はブラック。ドアハンドルもメッキ仕立てとなる

もはや年末年始の恒例行事?ともいえるCMの大量投下で、老若男女・クルマへの関心の有無を問わず、今もっとも知名度が高いであろうスズキ車。その「ソリオ」と「ソリオ バンディット」にハイブリッドが追加された。既存のマイルドハイブリッドに対してどれほどの優位性があるのか? あらためてバンディットで探ってみた。


●ソリオ バンディット「ハイブリッドSV」(価格:224万6200円)。ボディカラーはタフカーキパールメタリック シルバー2トーンルーフ(4万4000円高)

■同じに見えてまったく違う

そっ、そっ、そうなんですよ、復活ソリオのハイブリッド。「ソリオってもともとハイブリッドでしょ?」。そう思われる方もいるかもしれませんね。なので少しだけ、先代からの変遷に触れておきましょう。

これまで現行型に搭載されていたのは、ハイブリッドとはいえ、発進・加速時にエンジンを “アシスト” するISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)とリチウムイオンバッテリーを使ったマイルドハイブリッド(MHEV)システム。これは、減速時の回生エネルギーで発電した電力をバッテリーに充電して、それを加速時に使うという、あくまで補助的な機構です。そのためモーターの最高出力は3.1馬力、最大トルクも5.1㎏mにすぎません。

そして先代にはもうひとつ、発進・加速に加えてモーター出力を “上乗せ” するハイブリッド(HV)、いわばフルハイブリッドシステムが設定されていました。それが昨年の12月、2年ぶりに復活したのです。

その理由をスズキ広報に聞くと、「ユーザーの要望に応えて追加しました」との回答。一時は落ち着いていた燃料価格が再び高騰し、エコな乗り物への関心が高まるなか、「もっと燃費のいいソリオが欲しい」という声が少なくなかったのだとか。ちなみに現行型の発売時点ではHVの搭載予定はなく、モーターアシスト車は “マイルド” 一択だったよう。HVの荷室床下にはパワーパック(バッテリー+インバーター)があり、少なからずユーティリティが犠牲になることや、何よりMHEVに対して燃費を含めたメリットが見出しにくかったからだと思われます。

かくして再び2つのハイブリッド車が選べるようになったソリオ。燃費はFF車比でMHEVの19.6㎞/Lに対してHVは22.3㎞/Lと、およそ13.7%向上しています(いずれもWLTCモード値)。ちなみに首都高と渋滞を含む一般道(走行比7:3)を約80㎞走った実走燃費はMHEVの18.8㎞/Lに対し、HVは21.3㎞/Lを記録(ともに1人乗車、車載燃費計の値)。ストップ&ゴーを多用する市街地オンリーでは、数値は下がれど両車の差はさらに広がりそうな感触がありました。この差をデカいと捉えるか、ビミョーと捉えるか…。ともあれ選択肢が増えたことは、選ぶ側にとってはウエルカムなのです。


●(左)荷室の床下にパワーパックを搭載するHV。(右)MHEVのFF車はここが大容量のサブトランクとなる


●ハイブリッドSV系の専用色としてタフカーキパールメタリックとキャラバンアイボリーパールメタリックを新設。15インチアルミホイールもハイブリッドMV(右:ブラック×メタリック)より少し淡いミディアムグレーとなる

ドライバーWeb編集部

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