2021/04/02 新車

【先行技術発表】メルセデスAMGの電動車もついにハイパフォーマンス化へ! 4&8気筒ハイパワーエンジン+前後2モーターのハイブリッド4WDがスタンバイ中


■F1のテクノロジーを応用した新技術を搭載!


直4ハイブリッドも、エンジンだけで330kW(448馬力)もの最高出力を絞り出し、現在のAMG A 45 S 4マチックやCLA 45 S 4マチックの421馬力からさらに引き上げられている。この性能向上には、量産車初の電動ターボチャージャーが寄与している。この電動ターボは、メルセデスAMGペトロナスF1チームからフィードバックされた技術で、エンジンの回転数が低いときでも6kWの出力を持つ電気モーターでタービンを回すことで過給圧を上げることが出来るため、ターボラグを消すことが出来るというもの。走行中もスロットルオフ時にブースト圧を維持できるため、極めてレスポンスのいい走りを実現出来るのだ。

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●電動ターボチャージャーは、F1で使われる熱エネルギー回生システム「MGU-H」の応用技術だ

F1チームから得たものは電動ターボだけではない。ハイブリッドシステムにとって極めて重要なリチウムイオンバッテリーも、F1テクノロジーがふんだんに盛り込まれている。

乾電池のような形状のセルを560個組み合わせたリチウムイオンバッテリーは、AMGの本拠地であるドイツ・アッファルターバッハで専用開発された。蓄電容量は6.1kWhで、重量は89kg。サイズもコンパクトでリヤディファレンシャル上に搭載される。電圧は400Vで、連続出力70kW、最高出力150kW、90kWの出力を10秒間維持できる性能を持つ。エネルギー密度は1.7kW/kgと高く、通常のハイブリッド車のおよそ2倍を実現した。

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●リヤデフの真上に搭載されるリチウムイオンバッテリー

これほどの高性能を可能にしたのは、14Lの冷却水で直接バッテリーセルを冷やす冷却システムの採用が大きい。この冷却システムのおかげで、走行中にバッテリーの温度をもっとも充放電性能が発揮できる45度に保つことが可能になったという。また駐車時にも冷却水が35度を超えると冷却システムが作動し、バッテリーの劣化を防ぐ。

走行モードの切り替えができるAMGダイナミック セレクトには、一般道走行時からサーキット走行までカバーする、「エレクトリック」、「コンフォート」、「スポーツ」、「スポーツ+」、「レース」、そして「インディビデュアル」の6つのプログラムが用意される。「エレクトリック」では、電気モーターのみのEV走行ができ、最高130km/hまで加速可能だ。


ドライバーWeb編集部・青山

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