2019/10/24 コラム

1972年東京モーターショーに出展された幻の日産ロータリー車「NISSAN ROTARY」開発秘話

なぜロータリーをサニークラスに搭載するのか?



──発表ではサニークラスのスポーティカーに載せるということですが、排気ガス対策の面から言うと、大衆車クラスのスポーティカーはこれから先の時代の流れに反するんじゃないかと思いますが……。

真木次長 これからは若い人が個性を主張し、刺激を求めていくと思うんです。クルマも加速度と減速度が強く求められるようになるでしょう。今はスポーティ車の最高速度についてほとんど議論しなくなりました。オレのクルマは170キロ出る、いや、オレのは200キロ出るということよりも、加速……つまり刺激を楽しむ方向になってきているんじゃないでしょうか。だから車両重量の小さいクルマに余剰馬力の大きいエンジンを積むと加速がすばらしくいいわけです。追い越しも時間が少なくて済む。危ないときの離脱性もいい。加速力に比例して減速力もいい、それに安定性もいいという要素を持ったものを目指すことになるでしょう。

──サニークラスで開発されているのも、そういうところに狙いがあるわけですね。

真木次長 ロータリーエンジンは1リッタークラスでも実質的には2リッターに相当しますね。まあレシプロのスポーティエンジンに対しては1.6倍~1.8倍ぐらいの動力性能を持っていると言えるでしょう。

●車体のベースとなった初代サニーエクセレント。2代目サニーをベースとし、サニーの上級版として発売されたモデルだ。


●サニーエクセレントはサニーをベースにボディを大型化。専用のデザインが与えられ、セダンとクーペがラインアップされた。サニーエクセレント自体のエンジンはL14型1400cc直4。

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