2023/08/21 コラム

【第4.5回】京商ミニッツで遊べ!「まさかの猫パンチを食らう!?」【ラジコンマガジン誌より】

ラジコンマガジン誌で過去に掲載していた京商製ミニサイズラジコンカー「ミニッツレーサー」の連載記事を再掲載するコーナー。今回は新規内容の特別編として、ミニッツデビューから1年を経過したカメラマンの小見氏が、これまでにないミニッツの遊び方を開拓しようと日夜格闘する姿を公開します。




第4.5回「空き地でバンク構築にトライ!」



カッコいいグループCカーのザウバーメルセデスC9からスタートした、ミニッツとの付き合いも早いもので、かれこれ1年以上が経ちました。実車バイクレース仲間の友人、エージ君の協力もあって、室内コースを作ってみたり、本格的サーキットで実験を繰り返したりと、色々な試みをするなかで少~しずつミニッツの操縦にも慣れてきました。今回のWeb企画では、過去に誌面上の制約で書き切れなかったエピソードを掲載するので、これまでの記事を踏まえてご覧いただけたらと思います。

まず、かねてから私のようなアラ還オヤジがやってみたかったことのひとつに、実車のカッコいいレーシングカーで、「高速バンクを走らせてみたい」という野望があったんです。私は富士スピードウェイの1コーナーにあったというバンクは跡地しか見ていませんが、昔、谷田部にあった自動車試験場の高速バンクでは実際に車を走らせていました。で、ラジコンの話に戻りますが、どうしたらミニッツを走らせるのにちょうどいいバンクを作れるんだろう? と疑問に思い、実は連載当初からあれこれ試行錯誤したり、地元の模型屋さんに行ってミニ四駆のコースを見学したりもしていました。





●千葉県松戸市のハチピー模型店さんのミニ四駆コースを見学



ついでに、オリンピックで使用された伊豆の自転車競技用バンクの作り方もネットで調べて、バンクの構造は徐々に理解しつつありました。ただ、作る場所はどうしたらいいか? こればかりはさすがに常設して置ける場所がなかったので、野望実現の前に最大の難関にぶち当たったわけです。しかし、空き地を利用して身内で作った自転車用のジャンプコースなら、以前に地主さんから土地利用の了承も得られているし、そもそも最近は誰も走っていないので、インフィールドの空いた部分なら使えるかも?と閃きました。そこで実際にザウバーを持って現地に行き、縮尺を確かめてみると、もうかつてのデイトナサーキットのバンク以上にだだっ広いバンクができそうだと直感しました。





●自転車用の手製コースの一角を占拠して、ミニッツ用コースの造成にかかった図



ツルハシを振り回してのボッチ作業で、大汗を流しながら自転車コースを勝手にルート変更。仮組みでバンクを作ってみると、ザウバーを走らせるにはマジで舗装か板張りにでもしなきゃまともに走らせられそうにありません(当たり前か)。





●ザウバーの車高に合わせて整地するのは、あまりにも敷居が高かった!?



ここで本来の私に科せられたミニッツ“RWD”路線からは少し外れてしまいますが、ミニッツ“バギー”に白羽の矢が立ちまして、コース研究の一環としてラジコンショップにあったミニッツバギーを購入。そして早々にエージ君宅の法典サーキットにやってきました。実際にカーペットのコースではどのくらい走るんだろう? とエージ君のマクラーレンを相手に実験開始です。すると意外にもカーペットのコースでは縦横無尽に走らせることができて、コースミスもなんのそので速く走れて面白かったんです。でも、勢いでコースのガイドロープも踏み越えてしまうから、上達云々よりインチキなライン取りですね(汗)。







●このころは2機ともノーマルモーターだったので速度にはあまり差がなく、バギーのコーナリング性能とグリップもカーペットとは相性が合っていたようです





●ミニッツ視点に近い映像を撮ってみたくて、RWDにGoProを載せてみると、カメラの重さに負けてしまい続けて横転。今度はバギーに載せ替えてみると少しは持ち堪えた



実験を経て数日後、先日の空き地にミニッツバギーを持参して、さっそくこしらえたダートコースを実際に走らせてみると、懸命に草刈りをしたのにもう落葉が広がっていて、バギーの腹に引っ掛かってしまい車速が出せません。





●ひとまずコースはできたものの、残った小石に引っ掛かって整地の甘さを痛感



翌日、バギーを走らせるためにまる一日かけてコース上の草を2~3センチくらい刈り取り、奮闘した結果、ちゃんとバンクまで車速を乗せて走らせられるようになりました。細かい砂粒で駆動ロスはまだ残っていますが、走らせるのがとにかく面白くて、走りの練習とコース改良のためさらに草むしりに没頭しました。







●照明を焚きながら夕方にコースを試走。奥のバンクは元々自転車用に使われていたもの。ミニッツのスケール比として見ればなかなか広いかも?



ちょっとした小石で進路がコロコロ変わるので、まるでラリーのような感覚。そのまた後日、再び気分を良くしてバギーを走らせていると、ダートコースのすぐ傍らに住まう仲間の猫がひょっこり現れて、ミニッツバギーをガン見。しばらくすると、徐々にバギーとの間合いを詰めてきて、断続的に追跡を始めたではありませんか。





●逃げ惑うミニッツバギーをしつように追う猫のハチ。バギーがいいオモチャにされた



面白がって猫を挑発するように加減速させていたら、最後にはとうとう追いつかれ、直接攻撃(まさかの猫パンチ)を食らったバギーがコースアウト。夕暮れの手製ダートコースで、思わず笑いがこぼれたひとときでした。かねてからの“バンク走行の野望”はこんな結末になりましたとさ。



※補足:京商はミニッツバギーの屋外オフロードでの走行を推奨していません。



〈文と写真=小見哲彦〉
ラジコンマガジン編集部

ドライバーWeb編集部

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