2023/06/19 イベント

ジムニー女子の愛車も拝見!ジムニーサンライト2023が楽しすぎた…富士山の2合目に1500台超のジムニーが集結

ジムニーサンライトの主催者「KAHO」さん。ジムニーグッズの自作や、既製品をアレンジする楽しさを共有したくてジムサンを立ち上げたという

■今回のイベントは富士山をバックに

2018年7月5日に20年ぶりにフルモデルチェンジしたジムニー(JB64)とジムニーシエラ(JB74)。年間の国内販売目標台数はジムニーが1万5000台、シエラは1200台だったが、その後の熱狂ぶりはご存知の通り。ジムニーは2022年度「軽四輪車通称名称別新車販売確報(全国軽自動車協会連合会調べ)」で乗用車の12位、年間累計販売台数は3万8564台。シエラは2022年1月~12月までの「乗用車ブランド通称名別順位(日本自動車販売連合会調べ)で販売台数の合計が1万7820台。デビューからかなり時間が経過しているのにも関わらず、人気は衰えず供給に対し需要が大幅に上まわっている状況で、現時点でも1年~1年半の納車待ち。

そんな、メーカーも予想しなかったジムニーの人気ぶりを象徴するイベントが、5月21日に開催されたジムニーサンライト2023だ。

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前回は神奈川県の宮ケ瀬湖畔駐車場で開催され、今年の会場は富士山の2合目にあるスキー場、静岡県裾野市のスノーパークYETI(イエティ)。テーマは「つくる、つなぐ。ジムニーサンライト」。つなぐという言葉がいろんな連鎖を生み、拡散する。「ものづくりの楽しさをみんなに広めたい」と、イベントを立ち上げたきっかけを語る、主催者のKAHOさん。



既製品に手を加え、木工や革細工でグッズを自作するジムニーオーナーが多く、愛車の横でクラフト作品を売ったら面白そう…というのが発想の原点で、45組を超えるジムニー好きのクリエイターが集い、自慢の手作り作品をフリーマーケット方式で販売する。参加台数は昨年から倍増の1500台超で、午前10時のオープン前から駐車場に入る隊列ができ、駐車場はジムニー/シエラで埋め尽くされた。

■カスタムしてなくても大丈夫!?

ものづくりの楽しさを広めようという、ジムニーサンライトの趣旨に賛同し、昨年の第一回から協賛しているジムニー専門のプロショップがAPIO(アピオ)。ジムニーをベースにした新車のカスタムコンプリート販売やオリジナルパーツの開発・販売にとどまらず、東京都檜原村産のヒノキを使った「旅する鉛筆 檜」や「ミニスケッチブック」など、ジムニーでの旅の想い出を記録するためのオリジナル文具、神奈川県横浜市の横濱帆布鞄とのコラボバッグなど、使い込むほどに味わいと愛着が増すこだわりのグッズを手掛けている。

「クルマのイベントって、何かしらカスタムしていないと参加できないとか、企業色が濃くなりがちですが、ジムサンは純粋にジムニーというクルマと、それに付随するモノ、ヒト、文化を楽しもうというスタンスに共感して、サポートを続けています」と語る、アピオ代表の河野 仁さん。


●アピオ代表の河野 仁さん


●イベントは日曜だったがお店を休んでスタッフ総出でサポート。動画サイトや専門誌でおなじみのデモカーが勢ぞろい。SNS映えする作り込みはさすが

■”ジムサン”のステージMCを務めたDJティッピーさんの愛車

ジムニーサンライトの特設ステージでイベントの模様を軽妙なトークで生実況していた「DJティッピー」こと植松哲平さん。愛車はステージ横に展示されたアピオ仕様のジムニーシエラで、3本スリットのタクティカルフロントグリルや、オフロード走行時のアングル確保と大径タイヤの装着に対応したタクティカルフロントバンパー、泥や雪のなかで目立つイエローペイントの牽引フックなどが装着され、コンプリートカー「TS4」のようだが、じつはノーマル車をベースにここまで仕上げた。


●「DJティッピー」こと植松哲平さん。室内もカスタム済みで、シートカバーはシックなブラウン系に。コーデュロイ生地でクラフトプラスのアピオ別注品

植松さんとジムニーの出会いは行きつけの美容室。「40歳で免許を取って四駆の四角いクルマが欲しいなぁと思っていたところ、美容室に置いてあったクルマ雑誌にアピオジムニーの記事が載っていて『めっちゃカッコいい』とひと目惚れ。それからジムニーに興味を持ち始めました」


●シフォンアイボリーメタリック/ブラック2トーンルーフは植松さんの希望色。純正と同等のクオリティを誇るABS樹脂製タクティカルフロントグリルとタクティカルフロントバンパーを装着。純正フォグランプが流用可能だ

ところが人気車ゆえに欲しくてもすぐに買えないのがジムニー/シエラの悩みどころ。「スズキの販売店で普通に注文すると1年半ぐらい待たされると聞いて。それでもシエラが欲し過ぎて、新車よりも割高なのを承知で走行距離が80㎞の新古車を買っちゃいました。1年半も乗りたい気持ちを抑えるのはちょっと無理だなと思って。時間を買う感覚でした」

FMヨコハマの夕方の帯番組「Tresen(とれせん)」のパーソナリティを務める植松さん。放送のなかでジムニーの話題に触れたら、たまたまアピオのスタッフがリスナーで縁が結ばれた。「『ジムニーに乗っているならお店に遊びに来てください』」ってメールをもらって。いや、こちらこそアピオに行く気満々でした(笑)みたいな感じで交流が始まりました」。まさに相思相愛だった。


●植松さんは、幅の狭い林道走行を想定してナローフェンダーに換装している

こうしたきっかけで始まったのがとれせんの番組内コーナー「APIOプレゼンツ こだわりびとをたずねて(第1、第2月曜日17時から放送)」。植松さんがジムニーシエラに乗って、こだわりを持つプロフェッショナル=こだわりびとを訪ねるという内容だ。

「茶畑やクリエイターの工房、木材の加工場など、山に近い場所を訪ねることが多くて、現役のジムニーオーナーや、以前乗っていた人が結構いらっしゃる。ジムニーをきっかけに話が盛り上がることも多いですね」

約3年付き合ってきたジムニーシエラを「自転車感覚です」と評する植松さん。自転車のような軽快なフットワークで活動範囲を広げていく。


●ナローフェンダーの装着に伴い純正サイドスカートを外してサイドシルガードを装着。純正クリップ穴を隠しドレスアップも図れる

■ジムニー女子の愛車を拝見

クルマのイベントというと、イカつい男性ばかりでファミリーや女性は参加しづらい…というイメージだが、ジムサンは誰でも気軽に参加できるアットホームなイベント。愛車のこだわりポイントを聞いてみた。

ももかさん 2022年式 JIMNY SIERRA




ジムサン初参加のももかさん。JA22に乗るゆみさん、リフトアップしたJA74乗りの有賀さんとは地元のジムニー仲間で、カスタムの情報を共有したり、イベントに参加したり、キャンプをしたりとジムニー遊びを楽しんでいる。「見た目がカッコよく頼もしいジムニーシエラがずっと欲しくて、1年前に納車されました」。最初に交換したのはタイヤで、ヨコハマのジオランダーをチョイス。「走破性がアップして調子に乗って川に入ったらタイヤが抜けなくなり、ジムニー仲間に助けてもらいました」。キャンプ好きなのでギアを載せるルーフラックとリヤラダーを通販で購入。ラゲッジの折りたたみテーブルとヘッドレストホルダーはももかさんの自作だ。


●ルーフとの隙間が狭いラックは見た目にもスタイリッシュ。荷室に収まりきらないキャンプギアを載せるのに重宝する


●リヤのけん引フックにクマ避けの鈴を装着。アウトドア好きのももかさんらしい遊び心


●ユーティリティナットを利用してステーを装着した自作の折りたたみテーブル。天板をボディ色で塗装


●ヘッドレストホルダーも自作。「部屋を模様替えする感覚でイジれるのが楽しいですね」


●クロカン乗りの間では流行っているルーフトリムへのワッペン貼り付け


●右からJA74の有賀さんとももかさん、JA22のゆみさんのジムニー仲間

mieさん 2021年式 JIMNY


「ずっと前からジムニーに乗りたかったけれど、2ドアで実質2シーターみたいなものだから乗り降りが不便で諦めていました」というmieさん(写真右)。それでもJB64が欲しくなって、納車1年待ちで念願のオーナーに。ジムサンには友人と愛犬のジェイク君と参加。クラシカルなフェイスは静岡県富士宮市にブランチストアを構えるオートルビーズの「スズスポグリル」に交換している。




●静岡県富士宮市にブランチストアがある、オートルビーズのスズスポグリルがお気に入り。筆記体クラシックエンブレムがオシャレ


●内装も上質なシートカバーでドレスアップ

KAHOさん 2020年式 JIMNY


「今年初めての車検なのでジムニー歴は3年目になりました」というKAHOさんは、ジムニーサンライトの主催者。アピオのヴィンテージアイアングリルに設けられたフラットなセンターリブは、好みのステッカーやエンブレムを貼り付けてアレンジを楽しんでもらうためのもので、KAHOさんは「JIMNY SUNLIGHT」のマグネットロゴを製作。ジムニーグッズの自作や、既製品をアレンジする楽しさを共有したくてジムサンを立ち上げた。




●「パーツがなければ自分で作っちゃえ!ってノリの人が多いです」というKAHOさん。自信もDIY好きで、アピオのヴィンテージアイアングリルをジムサン仕様にアレンジ


●ルーフラックひとつにもオーナーの好みが表れる


●ジムサンの無事成功を祈願したダルマ

<文=湯目由明 写真=岡拓>

ドライバーWeb編集部

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