2023/01/31 コラム

じつはプリウス、ハリアーと同い年。今も残るクルマ、続かなかったクルマ…。花の1997年組(1)

●当時はステーションワゴン全盛期(手前:セフィーロワゴン、奥:マークII クオリス)

「プリウス」と「ハリアー」。その初代が誕生したのは1997(平成9)年。発売はどちらも同年12月だった。以後プリウスは5代、ハリアーは4代を重ね、着実にブランドを構築。四半世紀を経た2023(令和5)年現在、いずれもトヨタを代表するモデルに位置付けられている。トヨタにとって両車は “花の97年組” と言える存在かもしれない。


●今年で26歳。ともに丑(うし)年生まれ

その1997年に誕生した乗用車は、もちろんプリウスとハリアーだけではない。ここでは両車と同じ年にブランニューモデルとして生まれた、いわば “同級生” の今昔に触れたい。ちなみにトヨタ車以外で今も同じ名前で生き長らえている(継続生産されている)のは、スバル「フォレスター」と日産「エルグランド」だけなのだ。

■スバル フォレスター(1997年2月〜)

●「森に住む人」などを意味する車名は全世界共通。こう見えてCD値:0.38と空力性能に優れていた

乗用車とSUVそれぞれの機能を進化させた「新時代のスポーツビークル」を目標に開発。ベースは初代インプレッサで、200㎜の最低地上高を確保。エンジンは当初250馬力/31.2㎏mを発揮する2L DOHCターボのみだったが、のちに2L NAを追加。米・インディアナポリス・モーター・スピードウェイで24時間世界速度記録に挑戦。平均速度180.082㎞/hの新記録を樹立した。


●全長4450㎜×全幅1735㎜×全高1580㎜。プロポーションは今で言うSUVよりもワゴンに近い

●こちらは現行型の5代目(2018 年6月〜)。写真は特別仕様車の「XT-EDITION」(305万円)。今やターボエンジンはEJ20ではなく1.8LのCB18なのだ

■日産 エルグランド(1997年5月〜)

●全長4740㎜×全幅1775㎜×全高1945㎜。2mに迫る高さのため当時はデカく見えたが、全長は現行型のセレナ ハイウェイスターよりも短い

初代の正確な車名は「キャラバン エルグランド」と「ホーミー エルグランド」。販売店の違いで前者(モーター店向け)と後者(プリンス店向け)に分けられていた。縦置きフロントエンジンの後輪駆動車(FR)で、テラノ譲りの駆動力電子制御4WD「オールモード4×4」も設定。エンジンは3.3L V6ガソリン(VG33E)と3.2L直4ディーゼル(QD32ETi)を設定。のちにどちらも新型のユニットに置換された。


●Xグレード(FR・7人乗り・ディーゼル車)の当時価格は349万8000円(東京地区本体価格)

●こちらは現行型の3代目(2010年8月〜)。ボディサイズは初代比でおよそ230㎜長く、75㎜幅広で、130㎜ほど低い。4代目はあるのか?

ブランニューではないものの、ハイパフォーマンス版の派生モデルとして初代シビック タイプRが誕生したのも1997年。ただし、日本での発売はいったん途切れている(3〜4代目間)ので、ここでプリウス・ハリアーと同級生として扱うのはちょっとビミョーかも。

■ホンダ シビック タイプR(1997年8月〜)

●全長4180㎜×全幅1695㎜×全高1360㎜。当時価格は199万8000円(東京地区本体価格

NSX(NSX-R)、インテグラに続くファインチューニングモデル。タイプRの思想である、レーシングカーのテイストと圧倒的なドライビングプレジャーの獲得を目指して開発された。SiRグレードをベースにリッター当たり116馬力を発揮する1.6L 自然吸気のVTECエンジンを搭載。固めた足まわり徹底した軽量化、専用セッティングのABSや大径ブレーキディスクローターなどを採用した。


●エンジンは最高出力185馬力/8200回転(最大トルク16.3㎏m)を誇るB16B 98 spec.R


●レカロのバケットシートにMOMO製ステアリング、チタン削り出しシフトノブを装備。ペダルレイアウトもSiRとは異なる


●車高はSiRより15㎜低かった。タイヤはBS ポテンザRE010で15インチ7本スポークの5穴ホイールもタイプR専用


●そしてこちらは現行型の3代目(2022年9月〜)。2L直4ターボ・K20C型の性能は、最高出力330馬力/最大トルク42.8㎏m。ボディ全幅は1890㎜で価格は499万7300円

ドライバーWeb編集部

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