2023/02/02 旧車

日産ローレル登場の記憶「趣味のよい大人の4ドアサルーン」[driver1989年1-20号より]

●ローレル ツインカム24V ターボ メダリスト クラブL

自動車雑誌ドライバーが過去に取り上げた記事が今に蘇る「DRアーカイブズ」。今回は1989年1-20号の「NEW MODEL速報 日産ローレル」を振り返る。

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暮れも押し詰まった1988年12月16日、NEWローレルが発表された。新しいボディは「趣味のよい4ドアサルーン」を感じさせる。持つことに喜びが感じられるクルマに仕上がった。年末の発表ということで、新年も日産の話題で明けることになる。勢いにのった日産らしい、巧みな演出だ。“伝統のなかの改新”、NEWローレルの独占速報をおとどけしよう。

「大人の知性を表現した円熟フォルム」のNEWローレル。歌舞伎俳優の坂東玉三郎を起用したTVCFもオンエア。テーマカラーの新色ダークグリーンがシックだ。車種構成ではトップグレードのクラブLと、スポーティグレードのクラブSが設定された。

■ボディは4ドアHT1タイプのエクステリア

明快なコンセプト設定で、魅力的なクルマを輩出している日産。20年の歴史を持つ伝統のブランド、ローレルもその流れに乗り、従来のラグジュアリー志向から脱皮、正当派サルーンとして生まれ変わった。


●トップグレードにふさわしい風格を漂わせるクラブL。ボディカラーはホワイト/パールの2トーン

その開発コンセプトは「大人の趣味のよさを表現した上質な4ドアサルーン」。軽薄短小の感性の時代と訣別、オーソドックスで本質をわきまえたクルマというわけだ。メカニズムは、セフィーロをはじめとする日産の既存モデルで定評のある機構を大幅に採用、目新しさよりも機能を優先させている点が注目される。


●テーマカラーのダークグリーンメタリックのツインカム24V ターボ メダリスト。張りのある曲面を持つボンネットフードが、光を美しく映している

搭載エンジンは、2L直6のRB20系3タイプをはじめ、1.8L直4のCA18i、2.8L直6ディーゼルのRB28の5タイプ。バリエーションは計13機種が用意されている。


●CA18 グランド サルーン。グリニッシュシルバーメタリックのカラーリングは、1.8Lとは思えない風格

ボディは、ピラーレス4ドアHTのみ。4ドアセダンは実質的な姉妹車セフィーロに譲り、ハイオーナーカーの主流である4ドアHTに絞り込んだということだろう。ホイールベース2670㎜はセフィーロと同一だ。


●ツインカム24V メダリスト。ガーニッシュと連続したデザインのリヤコンビネーションランプが、力強さを表現

スタイリングは、オーソドックスな水平基調のシルエットが基本だが、ベルトラインを高くしてキャビンをコンパクトに見せて、パーソナル感を強調したもの。さらに、力強いデザインのフロントマスク、豊かな表情をかもし出すキャラクターライン、ガーニッシュと連続したリヤランプまわりのデザイン処理などにより、独自のキャラクターを確立。


●CA18 グランド サルーン。ボディカラーはグレイッシュライトブルーメタリック


●CA18 グランド サルーンのベージュメタリック色

ボディカラーも、メインカラーのダークグリーンメタリックをはじめ、パールやメタリックなど深みを演出するカラーを中心に9色を設定。メンテナンスが楽で、光沢と耐候性に優れたスーパーファインコーティング仕様もグレードに応じ設定された。


●直6ディーゼル車の廉価版、RD28エクストラ。カラーはクリスタルホワイト

 なお、ツインカム系のメダリストクラブSは、ブラックアウトされたフロントグリル、アンダースポイラー、シャンペンゴールドのアルミホイール、ピンストライプなどを装備するスポーティなエクステリアが売り物のグレードだ。

ドライバーWeb編集部

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