2020/07/23 新車

【これはヤリスキラーか!?】新型プジョー208の2グレードを比較&試乗! 33万円差ならどちらを選ぶ?

いきなり2グレードを比較できました

2019年3月のジュネーブモーターショーでワールドプレミアされ、ヨーロッパ市場では同年6月にデリバリー開始となっていたから、日本上陸まで1年ほどかかった新型プジョー208。ジュネーブで初めて目にしたときから、508に通じるインパクト抜群のデザインにクラクラしていたが、ようやく実際にステアリングを握ることができた。


●208 アリュール

しかも今回は、おそらく販売の中心になると思われる中間グレードの208アリュールと、スポーティなスタイリングを纏った上級グレードの208 GTラインを、2台同時に用意することが出来た。果たしてどちらが“買い”なのか、徹底的にチェックした。


●208 GTライン

新型208は、208としては2代目である。こう書くと「?」と思う人もいるかもしれない。プジョーは昔から205、206、207、208と、3桁の数字を車名にしてきたが、真ん中の数字は「0」とするルールがあるため、先代の時点で増え続ける数字を固定すると決断。そのため今後は車名は変わらずに世代を重ねることになっているのだ。

エンジンは1種類のみ

で、その2代目208だが、PSAの新世代コンパクトカー用プラットフォーム「CMP」を採用したBセグメントハッチバックである。つまり、基本メカニズムは19年登場のDS3クロスバックと同じだ。先代には3ドアも設定されていたが、今回は5ドアハッチバックのみとなっている。ボディサイズは全長4095mm、全幅1745mm、全高1445mm(GTラインは1465mm)で、先代より80mm長く、5mm幅広く、30mmルーフが低い。ホイールベースは2540mmで先代とほぼ同じだ。数値的にはVWポロとちょうど同じくらいである。


●208 アリュール。ライオンの爪をイメージした3本ラインのテールランプと、それを繋いで左右に伸びるブラックベルトは、新プジョーデザインの象徴

より長く、より低くなったにもかかわらず、伸びやかというよりは格段に塊感のある力強いルックスとなっているのは、デザインの力にほかならない。高めのショルダーラインに絞り込んだキャビン、パンッと張りのある立体的な面を組み合わせ、前後にライオンの爪をモチーフにしたヘッドライト&リヤコンビランプをあしらったエクステリアは、このクラスではキャラクターが際立っていて、とても魅力的だ。


●208 GTライン。ほぼ垂直にカットされるリヤサイドウインドーエンドは、名車205から続くプジョーの伝統だ

インテリアも個性的だ。プジョーは以前からi-Cockpitと呼ばれる、メータークラスターを高い位置に置き、小径のステアリングホイールを低めにレイアウトした、独自のコクピットデザインを展開しているが、ニュー208ではこれが最新世代の3D i-Cockpitに進化。より重要な情報を立体的なグラフィックで手前に表示する、新しい3Dデジタルヘッドアップインストルメントパネルを採用し、さらに先進的な空間を実現している。


●208 GTラインのインパネ周り。黄緑色のステッチが入り、Bセグコンパクトは思えないほど質感が高い

ヨーロッパにはディーゼルやMTの設定もあるが、日本仕様は最高出力100馬力/5500rpm、最大トルク205Nm/1750rpmの1.2L3気筒直噴DOHCターボに8速ATという組み合わせだ。また新型のトップモデルに位置づけられる、ピュアEVのe-208も同時発売したが、日本に上陸するのはもう少しかかりそう。それはまた別の機会に紹介する。


●208 GTラインには専用のダイナミックシートが備わる。表皮だけでなくホールド性も優れた仕様だ。ルーフライニングもブラックとなる

車両重量が1160kg(GTラインは1170kg)と軽いこともあり、加速力はどちらも十分に力強く、デイリーユースにはまったく不足を感じないどころか、スポーツモードに入れてマニュアルモードを駆使すれば、結構スポーティな加減速が可能なレベルだ。8速とATの段数が多いので、ワインディングロードでも小気味良いドライビングが楽しめる。


●トルクフルな1.2リッター3気筒ターボ。8速ATが見事にマッチングして、小気味いい走りを味わわせてくれる

フロントがマクファーソンストラット式、リヤはトーションビーム式の足まわりは、ショックアブソーバーやスプリング、スタビライザーなどはどちらも同じだが、アリュールは前後195/55R16、GTラインは205/45R17と、タイヤサイズが異なっている。どちらも銘柄はミシュランのプレミアムコンフォートタイヤであるプライマシー4だが、アリュールはしなやかさが感じられる一方、低扁平なGTラインは比較的カチッとした乗り味となっている。

お買い得なのはどっちのグレード?

ハンドリングも、アリュールは比較的ゆったりした印象だが、GTラインはよりシャープでアジリティが高い。ステアリングフィールもアリュールは滑らかな手触りだが、専用デザインのステアリングホイールを装着したGTラインは、接地感がより強く伝わってくる。GTラインはさらに、アルカンタラ/テップレザーの立体的なスポーツシートを備え、ドライバーの身体をしっかりホールドしてくれる。日常の足として走りと快適性のバランスが良いのは、よりプジョー伝統の“猫足”感が感じられるアリュールだが、スポーティな走りを楽しむなら俊敏なハンドリングのGTラインを選ぶべきだろう。


●真ん中のスピード表示とタコメータ部分が手前に浮き上がって見える、3D表示のメーター。見にくいようならキャンセルして通常の2D表示に戻すことも可能だ

細かな装備の違いは、後日公開の動画のほうでもチェックしてもらいたいが、価格面でもGTラインは買い得感が高い。専用のエクステリアやタイヤ&ホイール、専用スポーツシート、 GTライン専用ステアリングホイール、フルLEDヘッドランプ、サイドソナー、アクティブブラインドスポットモニターシステムなど、装備面の差だけを見ても、アリュールとの33万1000円の価格差以上に魅力的だ。


●208 GTラインはサイドミラーとルーフがブラック塗装される。パノラミックガラスルーフは、GTラインにのみオプション設定

ストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロールや、車線内の任意の位置をキープしてくれるレーンポジショニングアシストなど、標準装備のADAS(先進運転支援システム)の制御もよく仕上がっていて、装備内容的にも全く不満はない。スタイリッシュなコンパクトカーとして、とても魅力的な1台である。


●208 GTライン

エンジンノイズや風切り音がしっかり抑えられているだけに、ロードノイズが若干気になったり、VWポロなどのライバルより後席がやや狭いなど、新型208にも気になるところがまったくないわけではない。だが、より高い快適性や実用性を求めるなら、間もなく上陸すると言われているコンパクトSUVの新型2008を選べば良い。新型208は「デザインと走りが魅力の、Bセグメントのスペシャリティカー」なのである。

<文=竹花寿実 写真=山本佳吾>


■208 アリュール(FF・8速AT) ※<>内はGTライン 主要諸元【寸法・重量】全長:4095㎜ 全幅:1745㎜ 全高:1445㎜<1465㎜> ホイールベース:2540㎜ トレッド:前後1485㎜<前後1495㎜> 最低地上高:145㎜ 車両重量:1160㎏<1170㎏> 乗車定員:5人 【エンジン・性能】種類:直3DOHCターボ 総排気量:1199cc ボア×ストローク:75.0×90.5㎜ 圧縮比:10.5 最高出力:74kW(100ps)/5500rpm 最大トルク:205Nm(20.9㎏m)/1750rpm 使用燃料・タンク容量:プレミアム・44ℓ WLTCモード燃費:17.0㎞/ℓ 最小回転半径:5.4m 【諸装置】サスペンション:前ストラット/後トーションビーム ブレーキ:前Vディスク/後ディスク タイヤ:前後195/55R16<前後205/45R17> 【価格】259万9000円<293万円>


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