2020/06/12 ニュース

GRヤリスRS(1.5L+CVT)はヤリスより100kg以上も重かったら加速性能が大変じゃない?

■GRヤリスの1.5Lの加速性能はヤリス以下?

6月2日、トヨタはGRヤリスの国内販売におけるラインアップを発表した。これまで1.6Lターボ+6速MT、駆動方式は4WDモデルのみ公表されていたが、新たに1.5LのFFモデル、「RS」の存在が明らかになった。

https://driver-web.jp/articles/detail/34445/

GRヤリスのエントリーモデルという立ち位置だが、1.5Lエンジンは普通のヤリスと同じ。トランスミッションも同じく発進ギヤ付きのCVT(こちらは疑似変速を10速まで刻んでいるが)。


●GRヤリス RS(1.5L・FFモデル)

つまり、パワートレーンはヤリスの1.5Lモデルとほぼ同じなのだ。

GRヤリスと、ヤリス1.5Lモデルのスペックを比較してみる。

■諸元比較GRヤリス(1.6Lターボ)GRヤリス(1.5L)ヤリス(1.5L)※CVTのZ
全長×全幅×全高(mm)3995×1805×14553940×1695×1500
ホイールベース(mm)25602550
車両重量(kg)128011301020
最高出力(ps)272120120
最大トルク(Nm)370145145
駆動方式4WDFFFF
サスペンション形式(前)ストラット
サスペンション形式(後)ダブルウイッシュボーントーションビーム
ブレーキ形式(前/後)Vディスク/VディスクVディスク/L&Tドラム
タイヤサイズ225/40R18185/60R15

注目してほしいのは、GRヤリスの1.5Lと、ヤリス1.5Lの車重の違いだ。なんと、100kg以上もGRヤリスのほうが重いのだ。駆動方式はいずれもFFで、エンジンも同じ、トランスミッションも基本的には同じなのに…。

しかもだ。GRヤリスの外板ボディは基本的にアルミだし、ルーフにはカーボン。GRヤリスのほうが軽くなっても変ではない。それなのに、なぜそこまで重いのか。普通のヤリスと動力性能も同じなのだから、加速性能はかなり劣ってしまうはず。

■GRヤリスのプラットフォーム考察

そもそも、GRヤリスとヤリスのプラットフォームに共通性はほとんどなく、特にリヤまわりにはあのクルマ由来のパーツで構成されているというのだ…。

「あのクルマ」とは、C-HRらしい。


●C-HR(写真はGRスポーツ)

GRヤリスの4WDはヤリスの4WDをベースにしたのではなく、C-HRのリヤアクスルなどを使って4WDシステム「GT-FOUR」を作り上げたようである。燃費などを考慮し、軽く作らなければならないヤリスの4WDでは、あの大パワーを路面に伝えるシステムとしては無理があるのは当然だ。

また、GRヤリス用にさらに補強されているだろうか、その重量増にも合点が行く。だからこそ、ヤリスの1.5Lモデルよりも100kg以上も重いのだ。

ちなみにヤリスにはない電動パーキングブレーキが、GRヤリスの1.5Lモデルに採用されていることも、その裏付けになるのでは?と予想している。

https://driver-web.jp/articles/detail/35002/

電動パーキングブレーキはリヤにブレーキをかける。ご存知のように、C-HRも電動パーキングを装備。リヤアクスルまわりは共通だから、そのまま流用。だからこそGRヤリスの1.5Lモデルは電動パーキングブレーキを装備しているのだろうと考えられる。

■RSなのにMTがないなんて?

ちなみにGRヤリスの1.5Lモデルのグレード名は、冒頭のとおり「RS」。ヴィッツ時代にもあったグレード名でマニュアルトランスミッションも用意されていたが…今回は“とりあえず”CVTのみの設定になる模様。

ヴィッツレースのベース車両は、どうなるのだろう? CVTじゃ難しいだろうから、そのうちマニュアルが追加される? 1.6LターボのGRヤリスじゃ、カテゴリー的にもスピードが出すぎな気もするし…。

まだまだ謎だらけのGRヤリス。早く市販モデルに乗って、その全貌を確かめたいものだ。

〈文=driver@web編集部〉

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