2018/04/22 ニュース

SORAにMIRAIを トヨタのFCバスが本格始動

4月20日、東京・霞ヶ関の国土交通省・中央合同庁舎で、トヨタの量産型燃料電池バス(以下FCバス)「SORA(ソラ)」の報道向け試乗会が行われた。SORAはFCバスとして国内で初めて型式認証を取得し、3月7日からリース販売を開始。まずは東京都交通局が3台を導入し、3月29日から都営バスの「都05-2系統(東京駅丸の内南口〜東京ビッグサイト)」で運行を開始している。昨年3月に導入された2台(トヨタFCバス)と合わせ、じつは、すでに5台のFCバスが同路線を走っているのだ。大気中から取り込んだ “酸素” と高圧タンクから供給される “水素” の電気化学反応によって発電し、その動力でモーターを回して走行するFCV(燃料電池車)。走行中にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能のほか、内燃機関に比べてエネルギー効率が高いことも特徴。
●SORAのベースは日野のブルーリボン。同車よりSORAは約30㎝全高がある

●(左)行き先などを表示する電子案内板は2カ所に設置。(右)もっとどばどば出るのかと思ったら、10分の走行で排出される水はごくわずか
SORAの主要コンポーネントは、同じくFCVの「MIRAI」用に開発した「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を流用。高圧水素タンクはMIRAIと同じ70MPa(約700気圧)のものを10本(MIRAIは2本)とし、FCスタック(燃料電池)も2基(MIRAIは1基)搭載。これらをルーフに積むことで車内空間への影響を抑えたほか、次世代バスらしい特徴あるスタイリングを創出している。駆動モーターも、MIRAIと同じものを2基搭載。減速ギヤを介して1軸で出力される。減速時に回収したエネルギーを貯め、加速時にFCスタックの出力をアシストする(電位変動を補う)駆動用バッテリー(2次電池)は、クラウンハイブリッド用のニッケル水素電池を搭載。モーター最高出力は308馬力(154馬力×2)、同最大トルクは68.4kgm(34.2kgm×2)で、最高速度は70㎞/h程度。航続可能距離は約200㎞。

また、MIRAI同様の「大容量外部給電システム」が備わるのもSORAの特徴。高出力(9kW)かつ大容量(235kWh)の電力供給能力を備え、災害などによる停電時に、学校体育館などの避難所での電源利用が可能だ。

SORAってなんだ?

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