2023/06/08 新車

レクサスLCが一部改良。V8エンジンをバランス取りした特別仕様車「エッジ」も発売

60台を抽選販売する特別仕様車「EDGE」

レクサスは2023年6月8日、フラッグシップクーペのLCに一部改良を実施した。LCは2017年3月に発売され、2020年6月のマイナーチェンジの際にコンバーチブルを追加している。今回の改良では、走行性能の進化、予防安全技術の進化、最新のマルチメディアの採用などを実施した。価格は1400万〜1550万円。

■走行性能の進化

走行性能の進化では、下山テストコースを走り込んで鍛え上げた。コイルスプリング、スタビライザー、ショックアブソーバーを最適化し、接地感や操舵応答性を向上。よりリニアでなめらかな車両の挙動を実現した。また、ATの制御を見直して、よりドライバーの意志に寄り添ったセッティングとしている。

また、5L V型8気筒エンジンのエンジンマウント特性を変更。クーペ系のリヤサスペンションメンバーの取り付け部も補強されている。コンバーチブルはトンネルブレースの追加や床下ブレースの補強も実施。ホイールの締結にワッシャ付きハブボルトを採用して締結力を向上し、ノーマルタイヤを標準設定したことで、快適な乗り心地とハンドリング性能を両立している。

スポーツ走行を楽しむユーザー向けに、統合型走行安定システム(VDIM制御)にエキスパートモードを設定。基本はVDIM制御をオフとし、ドライバーによる車両コントロール領域を最大限残しつつ、車両挙動が大きく乱れた場合には制御が介入する。同時にATにオイルクーラーを採用してサーキット走行などでの油温上昇を抑制する。

■予防安全技術の進化

レクサスセーフティシステム+の機能を拡充。単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上によって、プリクラッシュセーフティの対応領域を拡大し、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能に。交差点右折前に前方から来る対向直進車や右左折時に前方から来る横断歩行者も検知対象となった。

同一車線内中央を走行できるように操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト」の車線認識にAI技術を活用することで支援範囲を拡大し、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現。レーダークルーズコントロールはカーブの大きさに合わせてあらかじめ減速するカーブ速度抑制機能を追加した。

車両の前後左右に搭載したカメラ映像を合成してセンターディスプレイに表示するパノラミックビューモニターを新たに採用した。

■最新のマルチメディアの採用

12.3インチのタッチディスプレイを採用。ナビや音楽、車両設定などの各種メニューの操作スイッチを運転席側に常時アイコンで表示することで操作性を向上した。



そのほか、カラー展開を見直し、ボディカラーにソニックカッパー、ヒートブルーコントラストレイヤリング、内装色にダークローズを採用した。クーペ系にはブルー&ホワイトの内装色を新設定。コンバーチブルはルーフカラーにスポーティで優雅な印象をもたらすレッドを新設した。


●新色の内装色「ダークローズ」

■特別仕様車「EDGE(エッジ)」の設定



LC500をベースとした特別仕様車「EDGE(1760万円)」を60台限定で抽選販売する。新開発したリヤアルミ中空サスペンションメンバーを採用しボディ剛性を飛躍的に向上。固定式リヤウィング、一体成型バンパーカナードを採用して空力性能の改善を図っている。こうした改良に合わせたサスペンションの適合も行い、その名のとおりエッジの効いた鋭い切れ味の旋回性と操縦安定性を実現している。


●リヤアルミ中空サスペンションメンバー


●一体成型バンパーカナード

さらに、高精度チューニングエンジンとして、ムービングパーツの質量合わせなどによる回転バランス取りと、寸法の造り込みによるフリクション低減を図ることでV型8気筒エンジンの伸び感に磨きをかけ、滑らかな回転フィールを実現。高精度チューニングリヤディファレンシャルは、熟練の技術者が手作業でバックラッシュの再調整を行い、加減速の応答性アップと上質なドライブフィールをもたらすという。

外観はボディカラーに光と影が織りなす静寂の銀世界から着想を得た「HAKUGIN(白銀)」を採用。外観の加飾を漆黒調のブラックで統一し、コントラストが映えるカラーリングとしている。内装色には、藍を生地に染み込ませるために行う作業の「かつ(叩く)」から転じ、古くから勝利の色として伝わる「KACHIIRO(勝色)」を採用した。


●KACHIIRO(勝色)

EDGEは2023年6月8日(木)から6月27日(火)まで販売店で抽選申し込みを受け付けし、6月29日(木)から順次、商談をスタートする。なお、抽選申し込み期間中の6月17日(土)〜26日(月)までレクサスインターナショナルギャラリー青山でEDGEの北米仕様車、6月22日(木)〜27日(火)までレクサスギャラリーミッドランドスクエア(名古屋)でEDGEの日本仕様車を展示予定。

ちなみに、今回の改良と同時に、レクサスとKINTO FACTORYが共同で手がけるLEXUS UPGRADE Selectionsを通じて、ユーザーが乗るLCに特別仕様車「EDGE」で初採用したリヤアルミ中空サスペンションメンバーを換装するメニューを追加。LC500hとLC500が対象で、コンバーチブルは対象外。サービス開始時期などの詳細は追って発表するとのことである。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING