2023/05/22 新車

【争奪戦勃発】コルベットのハイパフォーマンスモデル「Z06」が今夏に限定抽選販売

●導入台数はほんの僅か? 台数限定の抽選販売となることが決まった、新型コルベットZ06

GMジャパンは、2023年5月20日にシボレー コルベットの高性能モデル「Z06(ズィー・オー・シックス)」を発表した。予定価格は2500万円。販売台数がわずかなため完全限定モデルとされ、販売は抽選となるが、正式な販売台数や抽選方法については今夏にあらためて発表される。

Z06

すでに導入されているクーペモデル同様、初のミッドシップ、初の右ハンドルとして登場する第8世代コルベット“C8”のZ06。サーキット走行を前提としたハイパフォーマンスモデルというコンセプトこそ従来のZ06と変わらないものの、大幅に高性能化が進められている。ベースのモデルがベーシックグレードのクーペではなく、ピュアレーシングカーの「C8.R」にしたことからもその性能をうかがい知ることができる。

C8.Rは、北米のIMSAスポーツカー選手権を始め、FIA WEC(世界耐久選手権)などに参戦しているレーシングモデル。2020年から実戦投入され、すでにIMSAの年間タイトルを2連覇するなど現在のGTカーレースシーンでは中心的存在になっている。そのC8.Rからフィードバックされた最新のテクノロジーが、Z06には多数採用された。

■OHVを脱却した伝統のV8ユニット

冷却性能を向上させるための専用フロントバンパーや、クーペ比85mm拡大されたワイドボディなどZ06ならではの特徴がエクステリアの各所にも見られるが、トラックモデル由来をもっとも感じられる点は何といってもV8ユニットだ。「LT6」と呼ばれるV8 DOHCは、C8.Rが搭載するレーシングエンジン「LT6R」と同時開発。高回転化・高出力化を実現するため軽量フラットプレーンクランクシャフトを採用し、8600rpmのレッドゾーンと、自然吸気のV8としては最高となる646psのハイパワーを達成した。長らくV8のOHVエンジンを伝統としてきたコルベットではあるが、今回はDOHC化されたV8 NAへと進化。クーペのOHV「LT2」と比べ排気量が6.2Lから5.5Lへとダウンサイズ化されながら、出力は144psもアップしている。

Z06

心臓部の性能向上に伴い、前述したエクステリアのほかにも専用装備が与えられている。全幅2025mmのワイドボディはタイヤのワイド化にも寄与。前275/30ZR20、後345/25ZR21のタイヤサイズは、クーペ比で1インチの拡大と前30mm、後40mmのワイド化が図られている。ブレーキには前370mm/後380mmのブレンボ製ローターが採用され、フロントのキャリパーは4ポッドから6ポッドへと性能向上を果たした。電子制御サスペンションの「マグネティック・セレクティブ・ライド・コントロール 4.0」は、トラック走行にも適した専用のチューニングが施されている。

ボディとインテリアのカラーは、1種類のみ。エクステリアはボディをはじめホイールやエンブレムもすべてブラックで統一。差し色となるブレーキキャリパーのレッドカラーはインテリアにも採用され、ブラック&レッドの2トーンカラーで仕立てられている。

Z06

今回の発表会場に選ばれたのは、シボレーオーナーだけが参加できるGMジャパン主催のオーナーイベント「CHEVROLET FAN DAY 2023」。例年通り富士スピードウェイで開催された同イベントには255台ものシボレー車が集まり、ピットガレージ内でお披露目されたZ06は、参加オーナーたちから1日中注目を浴びていた。もちろん、富士スピードウェイのフルコース走行のデモランも行われ、新しいV8ユニットの快音を響かせていた。

今回の発表では、日本に導入される台数や抽選方法が未定となっていた。今まではカタログモデルとして購入できることが多かったZ06だが、このC8からは大幅な高性能化が図られ完全限定モデルとなる。その価格や内容から、プレミアモデルになるのは間違いなさそうだ。導入台数と抽選方法の続報を待ちたい。


<写真=青山朋弘/GMジャパン 文=青山朋弘>


ドライバーWeb編集部

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