2023/03/27 カー用品

【新型タイプRオーナー必見】BBS × TYPE R。BBS鍛造ホイールに惚れ込んだタイプR

2022年シーズンの最終戦で新型ベースにスイッチしたシビック タイプRのスーパー耐久仕様。その最終戦直前に行われたシェイクダウンに密着した。足元にはBBS……これ、レース仕様ではない。アナタの新型タイプRにも履けちゃうのだ!
 

レースで培った知見が新型に
 
1992年に発表されたNSXタイプRから30年。2022年はタイプRシリーズとして節目の年であり、その記念の意味も込め、ホンダが「集大成」として送り込んだのが新型シビック タイプR(FL5)だ。
 
これまでホンダのスポーツイメージを象徴する市販車として人気を集めてきた歴代タイプRだが、じつはホンダ自身が率先してタイプRを使ってのレース活動をしてきたかというと……そうではなかった。
 
しかし、先代のシビック タイプR(FK8)から少しずつ変わっていく。開発責任者を務める柿沼秀樹氏が、みずからドライバーとして19年シーズンよりスーパー耐久シリーズ(ST-2クラス)に参戦。そこで得られた空力、冷却、ブレーキなどに関する知見を新型タイプRに投入した。
 
象徴的なのは冷却性能の進化だ。ターボエンジンを搭載するがゆえ、熱ダレに悩まされることもあった先代のFK8。新型ではボンネットダクトから空気を入れるのではなく、ダクトから熱い空気を逃がす、まさにレーシングカーの冷却方法に。新型を開発するにあたって、柿沼氏がエンジニアに向かって「まずこれ(冷却方法の変更を)をやろう」と開発着手した部分でもあった。
 
そんな新型をベースとしたスーパー耐久仕様が、シーズン最終戦の鈴鹿でレースデビュー。結果は見事2位表彰台と、のっけからポテンシャルの高さを見せつけた。その足元に光るのが、BBSの鍛造ホイール。
 
「先代であるFK8のレースカーもBBSを履かせていました。軽さと剛性のバランスのよさがBBSの特徴です。まあ、タイプRのホイールサイズが特殊なのもあって(PCDが120)、それほど選択肢がなかったのも理由ですが(笑)。実際にレースで使ってみると、縁石などに連続で乗ったときに振れが大きくなることも。そこで、次のFL5に履かせるホイールはどうしようかと検討した結果、選ばれたのがBBSのRI-Aでした」
 スーパー耐久最終戦の直前、モビリティリゾートもてぎの本コースで実施されたシェイクダウンの場でそう語ってくれたのは、タイプRのシャシー設計者、竹内 治さん。スーパー耐久参戦活動のメンバーでもある竹内さんは、FK8のリミテッドエディションに装着した、タイプR専用設計20インチ鍛造アルミホイールをBBSと共同開発したときのキーマンだった。
 
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BBS RI-Aが選ばれた理由
 
なぜRI-Aだったのか。竹内さんにさらに突っ込むと、「まず剛性が明確に上がっています。そのわりに重量もそれほど重くなっていないのも魅力です。実際、シェイクダウンでテストしたドライバーたちは、『縁石に乗ったときの安定感、安心感がまったく違う』と。感触は、かなりイイ」。
 
今回、唯一のレーシングドライバーとしてシェイクダウンに参加した武藤英紀選手はRI-Aに関して、「車両セッティングがまだ煮詰まっていないのを抜きにしても、タイヤの接地感、インフォメーションがすごく伝わりやすいホイールだなと思いました。タイヤグリップのどこが厚くてどこが薄いのかとか、すごくわかりやすい。その辺りは、ホイールでずいぶん変わるんですよ」と語ってくれた。
 
RI-Aは、スーパーGTに投入されるホイールとまったく同一の思想・造形でつくられた逸品。ホイールとタイヤの空転を抑制するアンチスリップペイントを施すなど、細部まで磨き上げられた鍛造ホイールだ。
 
でも、最初からFL5に適合するサイズがあったわけではない。スーパー耐久仕様車で使えるサイズ、18インチ×9.5J(インセット50、PCD120)を新たに開発したのだ。どこまでトレッド幅を広げられるか、またはタイヤ幅を広げられるか……などホンダとBBSが一緒に吟味しながらレースで使うためにつくったサイズであるという。
 
「レースだけ考えるなら、もっとリムを広げたりといろいろやれますが、公道を走る市販車には使いづらくなる。われわれがスーパー耐久にタイプRで参戦する意味は、やはり車両開発につなげること。タイプRはあくまで市販車ですから、ホイールも買ってもらえなければ意味がないと思っています」(竹内さん)
 
これら「Honda R&D Challenge」と名付けられたスーパー耐久参戦活動は、正式にはホンダの研究開発メンバーの有志で構成。「好きだからやっている」、その雰囲気が市販車にも落とし込まれ、そしてアフターパーツ開発まで裾野を広げている。
  

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●FL5用に開発されたRI-Aのサイズは、18インチ×9.5J、インセット50だ。価格は1本10万7800円。ちなみに2022年シーズンのスーパー耐久はハンコックのワンメイク。タイヤサイズは260/660R18のスリックだ
 
 
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●シェイクダウンテストに臨んだドライバーは左から、ホンダの有志メンバー石垣博基氏、木立純一氏に加えて、レーシングドライバーの武藤英紀選手
 
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●スーパー耐久ST-2クラスの規定に則って開発されたレース仕様のシビック タイプR。最終戦ではクラス2位を獲得! 2023年シーズンもこのマシンでスーパー耐久にチャレンジする
 
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●先代のFK8リミテッドエディションで採用した専用ホイールの開発でBBSとタッグを組み、その軽さと剛性の高さにほれ込んだ竹内 治さん。タイプRのシャシー設計を担当。レースエンジニアとしてもスーパー耐久参戦に関わっている
 

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〈文=ドライバーWeb編集部・柿崎 写真=岡 拓〉

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ドライバーWeb編集部

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