2023/01/13 ニュース

新型WRXのMT仕様は限定車で!? ラリーベース車を前に開発者へ聞いてみた!

東京オートサロンに出展された新型WRXのラリー仕様

■はっきりとした返答はもらえなかったが…

東京オートサロン2023(TAS)が1月13日に幕張メッセで開幕した。スバルはブース内ですでに発表済みのWRXのニュルブルクリンク24時間レース仕様と、今季から全日本ラリー選手権(JRC)に参戦する新型WRXの試作車両を展示した。今回の注目はラリー仕様のスペックがどうなるか、特にトランスミッションを何を搭載するのかが一番興味のあるところ。その理由は、市販車にMT仕様が出てくるかどうかがある程度予想できるからだ。

【画像】本日実車公開「新型WRXのラリー仕様」

結論を先に言ってしまうと、はっきりと決まっていない。それはラリーカーのスペックが明かせないことと、市販車のMT仕様に関しての両方だ。話をTASの会場にいたSUBARU商品企画本部 モータースポーツプロジェクト主査の嶋村 誠氏にうかがってみたところ、「口止めされているので話せないんです」と言い、明言は避けられてしまった。しかし、なんとなくニュアンスで伝わってきた部分を今回はお伝えしたい。

その話の内容に触れる前に、現在のJRCの状況を説明しないと本筋が見えてこないだろう。JRCの最高峰クラス「JN1」は4WDターボ車で争われているが、純レーシングマシンの世界標準ラリーカーであるラリー2カテゴリーの参戦が許された2020年以降、ラリー2マシンの速さにどの国産車も太刀打ちできない状況が続いている。

当然と言えば当然の話である。ラリーのために開発された純レーシングマシンに、市販車のライトチューン程度のマシンが敵うわけがないからだ。トヨタのGRヤリスがいいところまで迫るときもあるが、勝てるのは稀。現に昨年の2022年シーズンはシュコダ ファビア ラリー2に乗ったヘイッキ・コバライネン選手がシーズンを通して圧勝し、チャンピオンを獲っている。

こうなると今までトップを走り続けてきたスバル陣営は、何とか勝負ができるようなクルマを作りたいところ。今の状況では1.2〜1.3秒/kmまで差がついているWRXとラリー2。これをどうにか縮めて優勝争いに絡みたいのがスバルの願いであり、その想いを一身に背負ったラリーカーが現行WRX S4をベースにした新型なのである。

ドライバーWeb編集部

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