2022/01/04 コラム

間もなく発売!日産アリアの生産工場に潜入。栃木工場の「ニッサン インテリジェント ファクトリー」が最新鋭過ぎた!

●アリアは539万円からの設定



■インテリジェント作業支援システム <①次世代のクルマへの対応>

モーターの組立ラインには10のデジタル技術を導入しているが、その中でも特徴的な取り組みが、MR(Mixed Reality=複合現実)を導入した作業支援ツールである。MRは現実世界にデジタルコンテンツを合成した拡張現実(AR=Augmented Reality)と仮想世界(VR=Virtual Reality)を組み合わせたもので、MRゴーグルを装着してその世界を具現化する。ゴーグル型のデバイスが空間を認識したうえで、デジタルのコンテンツ(3D)を現実の空間に存在するかのように表現できる。



このMR技術を作業指導に活用した点がポイント。これまでは工場の作業者は標準作業書と呼ばれる作業マニュアルやビデオを見て、作業の手順を覚えた後に、実際のラインで作業訓練を行っていが、MRゴーグルを装着することで、現場で作業ガイドを見ながら作業訓練が自習できるようになったのだ。作業ガイドは作業個所を3D表示で指示したり、写真やわかりやすい文章を使って作業内容や注意点を表示するので、習熟期間は約半分に、監督者による指導工数は9割削減できるという。

実際の習熟の現場では、作業者が1人で作業訓練を行い、その時に録画した視線の動画を再生することで、監督者が習熟の様子をチェックしているという。もちろん、監督者による作業者の“視点チェック”は初めての試みである。また、チェック個所を指差し呼称することで確認する習熟確認テストや、3Dモデルによって現物が準備できなくても教育できる機能も新しい。

ドライバーWeb編集部

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