2021/04/26 コラム

謎のオービス発見。半固定式か? その正体が明らかに

●横に2つ並んでいる

2020年6月、マニア氏からいただいた情報をもとに「新たな中央処理装置付速度違反自動取締装置(半固定式オービス)の導入(高速)」と題する1枚ものの文書をゲットした。


●「新たな中央処理装置付速度違反自動取締装置(半固定式オービス)の導入(高速)」。情報公開法を利用し、手数料を支払って開示を受けた

そして2020年7月、「高速道路上でも神出鬼没!? 新たなオービス「半固定式」の存在が明らかになった」との記事を書かせてもらった。半固定式は、以下のようなタイプの取り締まり方法と読み取れる。

1、警察の庁舎内に「中央処理装置」を置き、
2、高速道路上に「固定部分」を多数設置して「拠点」とし、
3、LSM-300(レーザー式で可搬式のオービス)の本体部を「約5分以内」で載せ替える、

なるほど、面白いアイデアだと思う。ただ、文書が開示された時点では、まだどこにも設置されていないようだった。2021年になり、大阪府警が半固定式を購入したとの情報を得た。今度は情報公開条例を利用し、大阪府警に対し開示請求した。


●大阪府警から郵送されてきた「一部開示決定書」

開示された「工事請負契約書」を見ると、契約日は2020年11月12日、契約相手は東京航空計器株式会社(以下、TKK)。工期は2020年11月12日~2021年3月30日。金額は3184万5000円だ。仕様書によれば、「中央装置」が1台と「新設端末装置 半固定式」が2台。単純に割り算すれば1台1千万円ちょいか。


●仕様書の一部

仕様書の多くはこのように墨塗りが目立つ。しかし、一部見えるところからあれこれ読み取ろうとするのが我々マニアである(笑)。「新設端末装置 半固定式」の部分をよぅく見てみると…


●「新設端末装置 半固定式」の部分を拡大したもの

TKKの可搬式オービスLSM-300(レーザー式)は、発光部と測定&撮影部が入った縦長直方体の筐体を三脚に載せる。新製品のLSM-310は、LSM-300の上半分の発光部と、下半分の測定&撮影部を別々にし、三脚の上に縦に重ねて置く。半固定式は、横に並べて置いたように見える。やっぱりこれが半固定式なのだ! って「一部開示決定書」に半固定式って書いてあったし(笑)。

ところで、重大な問題がある。数々の理由はここでは省略するが、TKKのレーザー式はどうも使い物にならないようだと私は見ている。2020年の始めにはLSM-300に見切りをつけるような動きもいくつかあった。なのにLSM-310を発売し、さらに半固定式を発売し、地方警察に購入させている。大丈夫なのか?

もしもレーザー式が抜本的に改良されて高性能になったなら、「当初は不慣れでちょっと調子が出なかっただけなのに、今井の妄想野郎が『沈む泥船』だとか言いやがって、まったく困ったやつだ(笑)」で済むかもしれない。だが、レーザー式が本当にダメだとしたら? レーザー式はダメらしいと、根拠を挙げて述べ続けているのは、どうも私だけだ。私は恨まれるだろうなぁ。そんな不安もちらっと感じつつ、さらに調べていきたい。現在のいちばんの希望は、TKKのレーザー式で取り締まりを受けて争う「道路交通違反」の裁判を傍聴することだ。北海道でも沖縄でも行きますぞ!

〈文=今井亮一〉
交通ジャーナリスト。1980年代から交通違反・取り締まりを取材研究し続け、著書多数。2000年以降、情報公開条例・法を利用し大量の警察文書を入手し続けてきた。2003年から裁判傍聴にも熱中。2009年12月からメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」を発行。

ドライバーWeb編集部

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