2020/10/01 コラム

スクープ!? 可搬式オービス「LSM-300」に続き「LSM-310」が登場。仕様書も入手!

LSM-310の価格は1台1100万円。LSM-300と同等


表立っては2013年6月から、警察庁は「新たな速度違反自動取締装置」の導入へ動き始めた。私は「新型オービス」と呼ぶ。呼び方については別記事をご参照ください。

新型オービスの目玉は「可搬式」で、2社の装置が競合する形になっている。日本のオービスの老舗、東京航空計器(以下、TKK)のLSM-300と、スウェーデンを本社とする世界的企業、Sensys Gatso Group(以下、センシス)のMSSS(Mobile Speed Safety System)だ。いずれの名称も、警察庁から開示を受けた文書にあったものだ。そして今回、TKKの「LSM-310」が見つかった!

この発見は私の手柄ではない。マニア氏から情報を得たのだ。ネット上に岩手県の入札関係の文書があり、そこにLSM-310なるものがあると。ただし元の文書はなく、キャッシュ(cache)だけが残っている状態だった。私は岩手県に電話してみた。入札が終わったので削除した(リンクを切った)という。ならば、と情報公開条例により開示請求してみた。開示された文書は2件。1件目は「物品売買契約書」、以下だ。


●岩手県から開示されたLSM-310の「物品売買契約書」

「車両速度計測装置(可搬型)」「東京航空計器製 LSM-310」とある。1台1100万円(税込み)。LSM-300は、センシスが参加できる入札のときは1千万円を切るときもあるが、センシスを参加させない入札、また随意契約のときは1台1100万円(税込み)が基本だ。だから、金額的にはLSM-310はLSM-300と同額といえる。契約相手は「株式会社キクテック 盛岡営業所」。初めて聞く業者だ。2件目は仕様書、以下だ。

LSM-310の特徴とは? カラー撮影もOK!?




●岩手県から開示されたLSM-310の「仕様書」

ん? 私は首をひねった。「極めて正確な速度測定が可能であること」って、そんなの当たり前の大前提じゃないか。「撮影機能により、測定車両の特定が可能であること」って、それもオービスなら当たり前だ。ちょっと待て! 「機器の構成」で「本体部」と「発光部」が別になっている。私の手元にLSM-300の仕様書もあるが、別じゃない。どういうこと? そういえばセンシスのMSSSは本体部と発光部を別の三脚に載せる。カラー写真を鮮明に撮るためだという。MSSSをまね、LSM-310もカラー写真を撮影するのか?

首をひねりつつ読み込むうち「おいおい、もしかして!」となった。もしかしてLSM-310は、2020年9月28日付けの記事「『速度取締中』とデカデカ表示する新たな可搬式オービスが発見された!?」の、あのイラストの装置かもっ。ま、今回はここまでとしよう。LSM-310についてはさらに調査中だ。続報をお楽しみに。というか、どんなことが判明するか、私自身が楽しみでしょうがない。だってマニアなんだもん(笑)。


●これがLSM-310なのか?

〈文=今井亮一〉

ドライバーWeb編集部

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