2020/09/28 コラム

「速度取締中」とデカデカ表示する新たな可搬式オービスが発見された!?

●入手したイラストの解像度の低さは何を物語るのか…

新たな可搬式オービスは、どんなシステム?



マニア氏からまたまた驚きの情報をいただいた! まずは以下の、謎のイラストをご覧いただきたい。


●“謎のイラスト”。レーザースキャンセンサを用いていることから、TKKのものだと考えられる

メカ好きな男子小学生君が定規を当てて描いたイラスト? いや、ちょっと待て! かすれた文字をよぅく見ると、「カメラ」「レーザスキャンセンサ」「三脚」「バッテリー」とある。こっ、これは東京航空計器(以下TKK)の、新しい可搬式オービスかっ!?

しかし、首をひねることが2つある。1つは、発光部(ストロボ)がないことだ。オービスの写真は、国民に罰金等の刑罰を貸すための重要な証拠だ。ストロボなしでオッケーなカメラが開発されたのか? ストロボありで40年以上やってきた裁判所が納得するほど高機能なのか? もう1つは「速度取締中」という大きな横長の「警告表示部」だ。こんなものをデカデカ表示したら違反者たちが気づき、取り締まりが困難になるおそれがある。なんだか現実味がない。やっぱり小学生君の空想イラストか。

なにゆうてまんねん、ちゃいまんがな! おっと興奮して関西弁になってもた(笑)。このイラストはね、ぬわんと内閣府のWebサイトの、オービスとはまったく無縁に思える男女共同参画局の「男女共同参画会議 重点方針専門調査会」の、その第21回の会議(2019年9月18日)の、大量にある資料のうち「参考資料3」の「通し番号219」という深い深ぁいところにあるのだ。以下が、問題のイラストが載った「通し番号219」だ。


●資料の頭に「子供の通行が多い生活道路等における適切な交通指導取締りに資する装置の整備」とある。こんなところにこんな文書が潜っていると、マニア氏はよく発見したね

「通し番号219」の左側の写真はTKKの可搬式オービス、LSM-300。その右側はSensys Gatso Group(以下、センシス)のMSSS(Mobile Speed Safety System)だ。2つとも縮尺がおかしい。上下がつぶれている。そしてその右側に、小学生が描いたようなイラストが載っているのである。この資料をどう読み解くべきか。イラストの装置はいったい何なのか。

可搬式を目玉とする「新たな速度違反自動取締装置」(以下、新型オービス)の導入へ向け、警察庁が表立って動きだしたのは2013年6月だ。そのときからずっと私は大量の内部文書をゲットし続け、マニア氏から多数のお宝文書の存在を教わり、スウェーデン大使館へも行き、取材・研究し続けてきた。そうして、そのときどきの最新情報等を雑誌やWebサイトやメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」に書き続けてきた。それらを踏まえて、私のマニアックな読みだけを簡略に述べよう。

警察庁内部にどんな思惑が?



可搬式オービスはTKKとセンシスが競合する形になっている。警察庁は最初、日本のオービスの老舗であるTKKを強く推した。しかしTKKの可搬式は性能か使い勝手かその両方に問題があるようで、ほとんど取り締まれなかった。つまり使い物にならなかった。とうとう「見せる取り締まり」で速度を抑止するのだと言い始めた。1台約1千万円もする“カカシ”とは、なんとも贅沢だ。ついに警察庁はTKKに見切りつけ、2020年度はセンシスの可搬式を43台整備することにした。

ところが、TKK推しの一派は引き下がらなかった。前述の「通し番号219」にこんなものを紛れ込ませた。作成を命じられた若手官僚氏は、急な話で時間がなかったか、あるいはTKK推しに対し「嫌だなぁ」との思いがあったか、LSM-300とMSSSの写真を縮尺が狂ったまま載せた。「LED警告板」を取りつけた可搬式のほうは、まだ存在しない。写真がない。そこで若手官僚氏が、TKK推しの上司から要点を聞き、定規を当てて描いた。とまぁそんなところではないかと私はマニアックに読む。

TKK推しの一派は引き下がらない。そのことが分かる文書を私は最近、新たにゲットした。「うわぉ、なんだそれ!」な文書だった。近日中に公開しよう。

〈文=今井亮一〉

ドライバーWeb編集部

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