2020/09/23 コラム

ああイライラする…コインパーキングの複雑な料金体系|木下隆之の初耳・地獄耳|

正当な経済原理だとは思うのだけれども



「ホテルの料金がコロコロ変わって困りますね」

数年前からの傾向である。それまでの宿泊代は、およそホテルのグレードや立地によって定額制に近かった。だがここ数年は、変動幅が大きい。日々目まぐるしく料金が変化する。

「1泊5890円だったのに、先週末は2万円オーバーに跳ね上がっていてビックリですよ」
客が部屋を求めているときには金額を釣り上げる。閑散期はベタベタに下げてでも空室を埋めたがる。

「あんな庶民的な◯パホテルが、1泊数万円って、狂ってないですか?」
担当Kは怒り心頭だ。

とはいえ、需要と供給を基本にした正当な経済原理である。サンマでも大根でも、不漁や乾季が続けば価格が高騰し、過剰になれば持ってけドロボー状態だ。資本主義経済の中では受け入れなければならないことなのかもしれない。
アプリの充実がそれをさらに強調してみせる。客はネットで空室状態を調べ、最低価格の宿に宿泊したがる。チェックインギリキリまでネット上での価格競争が繰り広げられる。ホテルはホテルで、残室が少なくなれば価格を引き上げる。客とホテルの熱い攻防の結果なのかもしれない。

コインパーキングも同様の傾向になり始めた。駅に近ければ近いほど、価格が高騰するのは常識だ。10mごとに上がっていくような気がする。地価によっては明らかであり、東京・銀座や六本木では、15分で1000円などという高額物件も少なくない。警察や駐車監視員とグルになっているかのように、駐車違反取締りの厳しいエリアは高額になっているかのように思うこともある。

料金がいくらになるのかわからなすぎる



「価格は経済原理かもしれませんけれど、ハメられたのではないかと疑いたくなるコインパーキング、ありゃムカつきますよね」
担当Kは、イライラを隠しきれない。

「15分が300円と、20分が350円。どっちが得なのか、いちいち計算しなきゃならないんっすよ」
駐車時間を予想しなければ、損得が導き出せない。

「最大料金の有無も関係してきますよね」
1500円を超えないとわかってのんびり構えていたら、翌日に1万円になっていたことも少なくない。近所の駐車場ならば頭に料金表が叩き込まれているけれど、初見の場所ではウロウロしながら計算しなければ思わぬ出費も免れないのだ。

「20時から深夜料金の場合と、19時から深夜料金の場合があるとします。ですが、翌朝の出庫時間に差があって、さらに混乱することもありますよね」

そして休日料金と平日料金には違いがある。
「8月は適用外ってところもあります」
 観光地には多い。

「それも小さな文字で書かれていたりして、これはもうはめようとしているとしか思えないんです」

「8時から15時までは平日100円/15分で、17時から26時まで平日200円/60分。最大料金は2000円。祝日は除外で、繰り返しは休日の18時以降に未適用…」
特にタ◯ムズ系は、あえてそうしているかごとき複雑である。

これはもうどうにもわからない。確かに担当Kが愚痴りたくなる気もわからなくはない。だがそれも経済原理として納得するしかないのかもしれないね。このあたり、ちゃんと整理してくださらないでしょうかねぇ。

〈文=木下隆之〉

ドライバーWeb編集部

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