2023/10/27 ニュース

【ステアリング形状が違う】なぜスバル ソルテラは「楕円」に変えて、トヨタbZ4Xは「丸形」のままなのか?

上がトヨタbZ4X、下がスバル ソルテラ、

■スバルは変えた。トヨタはそのまま

10月25日のプレスデーを皮切りにスタートしたジャパンモビリティショー2023。そのタイミングに合わせ、トヨタとスバルの共同開発で生まれた兄弟BEV、トヨタbZ4Xとスバル ソルテラが改良を発表した。

その両実車はジャパンモビリショーにも展示されていたが、なんとステアリング形状が違っているではないか。正確には、スバルは変えてトヨタは変えなかった。2022年4月、両モデルのデビュー時にはどちらも同じ丸形のステアリングを採用していたのに…。

【画像】ステアリングの形状を見比べる

まず、今回なぜスバルが丸形から楕円に変えたのか。その理由は「メーターを見やすくする」ためだ。


●ソルテラ(改良後)

そもそも、デビュー当時から両車のコックピットは斬新。ステアリングが手前にあり、メーターはかなり遠目で高い位置に配置されている。このメーター配置はトップマントメーターと呼ばれ、運転中に前方を見ながら少ない視線移動で瞬時に情報を得るためのものだ。

しかし、スバルいわく「ユーザーからは、着座位置によってはメーターが見にくいという声がありました」。それを改善すべく、今回の改良でステアリングの上下を切ったような楕円タイプに。ステアリングがメーターにかからないようになり、視認性を向上させたわけだ。このステアリングは、オーバルステアリングホイールと呼ばれている。

それに対してトヨタは変えなかった。「この丸形ステアリングは真円タイプ。そのステアフィールのよさを大事にしたかった」というのがトヨタの言い分。もうひとつは、「丸形のほうが、ほかのクルマからすんなり乗り替えてもらえる」という判断からだ。


●bZ4X(改良後)

この両者の違いは、仕向地の多寡にもよるようだ。bZ4Xは、これから海外販路をさらに拡大していく予定。ご存知のようにトヨタは次世代BEVを開発中で、どうしてもそちらに注目が集まるが販売はまだ先。目先の「2026年までに150万台のBEVを販売」という目標を達成するためには、まだまだbZ4Xの販売もがんばらなくてはいけない。もっと広く、多くの人に届ける必要がある。

そこで、一般的な丸形ではなくなったスバルに話を聞くと、「(ステアリングを持ちかえるときも含めて)この楕円タイプにもすぐ慣れていただけると思います」。さらに、「このステアリングは新開発なので、タッチセンサーを組み込めました。渋滞時にハンズオフできる機能など、ADAS関連が進化しています」というのだ。

ちなみにbZ4Xは今回の改良でハンズオフ機能などの追加はない。ADAS関連で、両車の装備に差がついたカタチだ。

見た目はもちろん、じつはサスペンションのセッティングなども含めて両車の違いはかなりあった。ただ、今回の改良でさらにその違いが広がったのは事実。兄弟車とはいえ、互いの思惑にはかなり違いがあるのだ。

そのほか、両車の改良メニューは下記のとおり。同じものもあれば、違うものもある。それぞれのユーザーが求めるもの、開発の優先順位などで違いが出てきている。

なお、ソルテラの販売方法は変わらず。bZ4XはこれまでKINTO(サブスク)のみだったが、ついに一般販売も開始する(11月13日より)。

ドライバーWeb編集部

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