2023/10/26 ニュース

軽トラが空を飛ぶ!? 官民連携プロジェクトで「ソラミチ」誕生【ジャパンモビリティショー2023】

空飛ぶ軽トラ「SORA-MICHI」コンセプトのアンベール直前(愛知県の大村秀章知事)

10月28日から一般公開を迎えるジャパンモビリティーショー2023。ひと足先に開催されたプレスデーにおいて、愛知県ブースでは「空飛ぶ軽トラ」のコンセプトモデルが世界初公開された。

愛知県の大村秀章知事みずから司会を務め、アンベールされた機体は「SORA-MICHI(ソラミチ)」。愛知県と県内の企業数社がタッグを組み始まった「あいちモビリティイノベーションプロジェクト」の一貫で生まれた。

このプロジェクトは、社会課題の解決と地域の活性化をはかり、2030年に空と地上のシームレスな交通環境を運用することが目標。その第1章が今回公開された空飛ぶ軽トラ「ソラミチ」だ。



名古屋市に本社を構える株式会社プロドローンにより開発され、50kgの荷物を50km先に運ぶことを目標に開発されたカーゴドローン。画期的なのはタイヤを駆動させて自走が可能なこと。人は乗れない。

例えば、700kgの軽トラは2人で押せば動く。しかし100kgのドローンを持ち上げるには相当な力が必要になる。ソラミチは、普段は地上を無人配送ロボットとして走行し、山を越える、川を渡るなど必要なときにはローターを回転させ即座に飛行が可能だという。目的地の近く着陸し、ラストワンマイルを地上走行で荷物を届けることもできるわけだ。

堅牢なフレームに動力伝達機構と制御機構をユニット化して搭載。軽量で高いメンテナンス性を両立している。

風速15mでも飛行できる高い耐風性と雪雨でも飛行可能な耐候性に考慮して開発が進められている。もちろん軽トラの重要事項である荷物の積み下ろしが容易なボディ形状も考慮する。

ブースには「ソラミチ」のほかに、2020年に世界初公開された株式会社SkyDriveの空飛ぶクルマ「SD-03」、株式会社テラ・ラボの危機対策用長距離無人航空機「テラドルフィン ロングレンジモデル」なども展示される。

空と道をつなぐ愛知県のプロジェクトの今後の進展に期待したい。

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●荷室には50kgまで積載可能。サイズは不明だった

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●左から 株式会社テラ・ラボ 代表取締役 松浦孝英氏、株式会社プロドローン 代表取締役社長 戸谷俊介氏、愛知県知事 大村秀章氏、株式会社SkyDrive 最高戦略責任者 村井宏行氏 

■スペック(現状案)
全長×全幅×全高(㎜):3219×2703×1244
メインローター径(㎜):3100
動力:0.4L 50hpエンジン
燃料搭載量:20L
乾燥重量:90kg
ペイロード:50kg
最大離陸重量:145kg
最高速度:150km /h
巡航速度:70km /h
飛行時間:1.5時間
巡航距離:105km
販売価格:未定

〈文と写真=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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