2023/08/03 新車

新型N-BOXは、なぜ自転車の積み込みやすさを自慢するのか? 開発のカギは「女性視点」

自転車の乗せやすさは歴代N-BOXのこだわりポイントである

自転車の積みやすさは歴代N-BOXの美点である。前輪を乗せやすい荷室床面地上高や、積み下ろし時に自転車のハンドルが干渉しにくい開口高さ、余裕のある室内空間によって自転車を積みやすくしている。新型の3代目N-BOXでは自転車の積載安定性を向上。荷室ボードの一部をくぼませることで自転車の前輪が通りやすくすると同時に、自転車のスタンドを立てた際の安定性を高めている。新型N-BOXの自転車を積むことに対するこだわりを開発担当者に聞いた。



「他社さんのクルマでは、寸法上、自転車は積めますよとおっしゃっているのですが、積みやすさという部分では明らかにN-BOXと違うのですね。寝かせながら自転車を積まないといけないとか、寝かせた後に今度は立ててというように、いろいろな作業をしてやっと“積めますよ”なんです。でも、N-BOXは27インチのアップハンドル、いわゆる中学生とかがよく乗る自転車でさえも、きちんとルーフライニングとの隙間に手が入るスペースあり、そこで姿勢も崩さずにそのまま乗せられます。やはり、自転車の積みやすさは初代からこだわってきたポイントです。今回、法規対応で変えなければいけないところは当然出てきますが、積みやすさを犠牲にしないために、極力、室内寸法を守りきると。もうそこを死守しました。そんな考え方でデザイナーや開発メンバーにもかなり協力してもらったというところはありますね」(パワーユニット開発責任者 秋山佳寛氏)

「デザインのメンバーは女性が多いのですが、彼女たちが自転車を積むのを一生懸命自分たちでやって、簡単に積めるというのを自分たちで肌で感じながらやってくれたのです。男性の私たちがやってはダメなんですね。力があるぶん、”こんなの楽勝で入る“となってしまうのですが、ママ視線とか、女性視点で自転車の積みやすさを検討してくれました。そういう意味で女性メンバーがいたことが今回のN-BOXの開発ですごくよかったと思っています」(開発責任者 諌山博之氏)

「実際に自転車を積み込むシーンを考えると、雨が降っているときとか、お子さんがママ迎えに来てと電話でかけるときとか。天候なので予測できないじゃないですか。そういう気持ちに余裕がないときに、手こずったうえで積めるというのは、それは積めないものだと私たちは認識しています。そういうところでも安心して積み込めるというのがN-BOXの価値だと思っています」(パワーユニット開発責任者 秋山佳寛氏)

女性でもラクに自転車が積み込めるのは、N-BOXのうれしい配慮である。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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