2023/08/02 新車

新型ランドクルーザー250はサスペンションストローク量が大幅に向上! でも気になる部分も?

●タフさを増した新型ランドクルーザー250

2023年8月2日に世界初公開となった新型ランドクルーザー”250”。

250の実質的な先代モデルにあたるプラドのコンセプトが豪華路線だったのに対し、今回のフルモデルチェンジでは原点回帰を目指し、ランクルらしいオフロードでの力強さや質実剛健さを全面に押し出したモデルとなった。

そこで、気になるのが実際のオフロード走破性。タイヤが浮いてしまうような凹凸路や滑りやすい泥濘路、岩や石だらけのロック路など、ひとくちにオフロードと言ってもいろいろだが、そのなかで走破性のひとつの指標になるのが“サスペンションストローク量”。要はどれだけ“足”が伸びるかだ。

最近のSUVは、その多くが電子デバイスを備えていて、タイヤが浮こうがスタックせずに前進できるクルマも多い。だが、足が伸びないと姿勢が安定しないし(横転のリスクもある)、デバイスに頼りすぎてもデフが熱をもってしまい、使えなくなることもある。それに同じデバイス付きなら、なるべく足が地面に接地していたほうがトラクションを稼げるので有利になる。

本格クロカン車として、これまでもランクルシリーズは、よく伸びる“足”を持っていたが、この新型はさらにストローク量を増やしたという。

具体的にはフロントサスペンションのみ大幅にストローク量を増加(リヤは先代同等)。単純にストローク量を増やすだけではオンロードでの操縦安定性が犠牲になってしまうため、SDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)という機構をトヨタブランドで初採用した。

これはフロントのスタビライザーの状態をスイッチ操作で任意に切り替えられるというもので、オフロードではストロークを規制するスタビライザー効果を緩め、オンロードではスタビライザーを締結させて安定した走行を可能にするという、一挙両得を目指したものだ。リヤにもスタビライザーは装備されているが、このSDMの仕組みはフロントのみに搭載されている。

■なぜフロントだけなのか?

SDMはフロントのみでリヤには作用しない。なぜリヤのスタビライザーは解除できないのか開発者に聞くと、フロントとリヤで、より効果が大きかったほうにSDMを採用したとのこと。また、生活実用性を考え、なるべくリーズナブルな価格で車両を提供したい狙いもあったそうだ。

兄貴分のランクル300は一部グレードに“E-KDSS”という、4輪のスタビライザーを電子制御する高度なシステムを持ち合わせるが、それとの差別化ということもあるのかもしれない。また、デフロックをセンターとリヤに用意。極限の悪路にでも踏み入れないかぎり、大きな問題にはならないだろう。

いつかオフロードで試乗できる日が待ち遠しい。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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