2023/05/08 カー用品

オールシーズンタイヤならコレ一択か!? グッドイヤー ベクター4シーズンズ GEN-3

非降雪地域に住む人を中心に注目を集めるオールシーズンタイヤ。その草分け的存在のグッドイヤー ベクター4シーズンズに最新作GEN-3が登場した。丸山レポーターが愛車に装着するほど気に入った理由とは?

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■あらゆる路面に対応するタイヤ

日本市場において、オールシーズンタイヤの認知度を高めたのがグッドイヤーのベクター4シーズンズだ。2016年の日本導入から注目を集め、22年8月には第3世代となるGEN-3シリーズがリリースされた。


■サイズ(価格:オープン)
乗用車向け:185/65R15 92V XL〜255/40R19 100Y XL
SUV向け:225/65R17 106V XL〜255/50R20 109W XL
商用車向け:145/80R12 80/78N〜195/80R15 107/105N

そんな新作の実力を試すべく用意されたのは、なんと氷上テストで有名な長野県の女神湖。ご存じのようにオールシーズンは圧雪路の性能は高いが、アイスバーンなどの氷上性能は最新スタッドレスタイヤより低いというのが一般的な認識…だが、GEN-3は氷上でも高い性能を見せつけた。普通にアクセルを踏み込んでもスリップは最小限で、少し滑る感触がありながらもトラクションコントロールの介入は少なく、ひと昔前のスタッドレスタイヤに迫るトラクション性能。コーナリングでも左右の片側タイヤが雪を踏んでいれば、かなりの旋回力を確保できる。

そして圧雪路でのスラロームや氷上のハンドリングコースでのコーナリング性能には、心底驚いた。ステアリングの手応えがしっかりしていて、特に圧雪路は「得意」といっていいレベル。前後のトラクションと横方向のグリップ力は、最新スタッドレスタイヤに迫るほどの性能が確かめられた。

そしてドライ路面。特設コースでのパイロンスラロームでは、サマータイヤに匹敵するハンドリングを披露。危険回避並みの素早い操舵を試してもステアリングレスポンスに違和感はなく、さらにグリップが高くコーナーでの腰砕け感もない。



一般的なオールシーズンタイヤはウエット路面が苦手だが、GEN-3でフルブレーキを試してみると、初期制動力の高まりが自然。フロントタイヤに荷重が乗ってブロックが倒れ込む状態でも排水性が確保されているようで、グリップ感が抜けないまま高い制動性能を見せた。



氷上、雪上、ドライ、ウエットとあらゆる路面でのテストを経験して、GEN-3の総合性能の高さには驚くばかり。以前、GEN-3の先代モデルとなるベクター4シーズンズハイブリッドを愛車に装着していたが、今年はGEN-3に履き替えた。今シーズンは雪が多く、取材時に大雪が降る中でも信頼できるトラクション性能を発揮。圧雪の上に新雪が降り積もる滑りやすい状況の急登坂路でも、トラクションコントロールがほとんど介入しないほどグイグイと上ってくれたのは安心だった。



愛車に装着してもっともうれしかったのが、乗り心地が向上したこと。従来装着していたベクター4シーズンズハイブリッドはケース剛性がやや高いようで、トレッド面の当たりの硬さも手伝って段差ではやや突き上げ感があった。これがGEN-3では見事に解消。高速道路のジョイントを通過しても突き上げ感はマイルド。車齢20年、走行距離20万キロの20プリウスでも優しい乗り心地を実感できる。もちろんドライでのハンドリングも向上していて、GEN-3を選んだのは正解だった。

スタッドレスタイヤのシーズンが終わり、残り溝が少なくなったからサマータイヤとして履きつぶす人もいるだろう。そこで提案。GEN-3に履き替えてみるのはいかがだろうか。前述のようにサマータイヤとして使っても高い性能を持っているため走りも楽しめるし、冬期には突然の降雪でもあわてることがないからだ。降雪地域のユーザーはスタッドレス一択だろうが、東京などたまにしか雪が降らない地域の人には十分な性能と安心感を提供する。

雪に対処できるオールシーズンタイヤとしてだけではなく、GEN-3の優れた乗り心地を考えるとサマータイヤとしても選ぶ価値がある。


●GEN-3になって、トレッド中央部に大型のサイプを配置して排雪性能を向上。また、アンダートレッドとショルダーブロックを強化することで、荷重による変形を低減、ドライ路面でのハンドリング性能を高めている。溝の奥にいくほど溝の幅が広くなる構造とすることで、排水性能を確保。摩耗が進んでも排水性を維持しやすくなったのもうれしいポイントだ

〈文=丸山 誠〉

ドライバーWeb編集部

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