2023/05/05 カー用品

【K-one】全日本ラリーの技術をストリートチューンへ|GR86チューニング|

舗装路やダート、積雪路などさまざまな路面コンディションのなかで戦う全日本ラリー。過酷な状況下でも安全で速いGR86をフットワークチューンのスペシャリストが追求した。


オーリンズとコラボしたサス

競技車とストリート仕様の間には大きな隔たりがあるように感じられるが、イコールコンディションを保つために改造が厳しく制限されるワンメイクレースや、ターマック(舗装)、グラベル(未舗装)、スノー(積雪)など、さまざまな路面状況でタイムを競う全日本ラリー選手権を安定して速く走れるマシンに仕上げる技術とノウハウは、ストリート向けのチューンにも大いに役立つ。

GR86/BRZカップのプロフェッショナルシリーズと、全日本ラリー選手権のJN3クラスに参戦するのが、カーライフレヴォリューションK-one(以下K-one)。愛知県名古屋市で1966年に創業した共栄タイヤサービスを母体とし、主力のタイヤ販売にとどまらず、競技車両の製作やドライバーのリクエストを反映させたフルオーダーのサスペンション製作、オリジナルパーツの企画などを幅広く展開している。

ワンメイク/ラリーともにできることが限られるなかで、ドライバーの扱いやすさやマシンのポテンシャルを大きく左右するのがサスセッティング。K-oneではモータースポーツで実績豊富なオーリンズとコラボしてオリジナルサスペンション「K-oneダンパーシリーズ」を作り上げた。なかでもオーリンズダンパーをベースにK-oneが自社工房で仕様変更したレーシングダンパー、ローダウン時のスタビライザーの位置補正を行うスタビリンクはGR86/BRZカップの指定部品として、多くのプロフェッショナルクラス出走ドライバーに選ばれている。

先代のZN6と現行型ZN8で異なるのが加速フィーリング。ZN8はアクセルペダルの踏み加減に対しスロットルバルブの開き方が大きく、街乗りでは出足のよさを体感できるものの、逆にサーキットやワインディングではリヤの動きが唐突に感じることがある。そこで、走行シーンやドライバーの好み、クセをじっくり聞きながら、ヘルパースプリングの有無や減衰力の立ち上げ方など独自のノウハウで、マイスターがさまざまなパーツを組み合わせてベストの仕様に作り込んでいく。

前述のラリー車に試乗したところ、競技用とは思えないほどしなやかな乗り心地で、豊かなストロークと路面追従性の高さが印象に残った。長丁場のラリーを安全・確実に走り切る性能はストリートでも功を奏する。


K-one
●今シーズンは第2戦の新城ラリーから全日本ラリー選手権JN3クラスに写真のGR86で参戦。ドライバーは地元岡崎市出身の山本悠太選手、コ・ドライバー・立久井和子選手のコンビで、見事クラス優勝を果たした

K-one
●右はリヤサスにヘルパースプリングを組み込んだラリー用、左はワンメイクレース用のK-oneオーリンズレーシングダンパー(32万4500円)

K-one
●車高を下げると純正スタビリンクの長さが足りなくなり重心位置がズレる。それを補正するのがK-oneスタビリンク(2万7280円)

K-one
●ローギヤードのファイナルとクロスミッションが組み込まれ、2↔3速が接近しているので低中速コーナーで途切れなく加速する

ドライバーWeb編集部

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