2023/03/25 カー用品

GRヤリスのK-one流カスタム「戦うなかで得られた理想」をカタチに|Car Life Revolution K-one|

地元・愛知に根づいて半世紀超。創業以来のタイヤ&ホイールの販売だけにとどまらず、チューニングや競技車両までを任せられるショップとして全国に知られるK-one。実戦で得た知見と積極的に勝ちに行く姿勢が色濃く反映された、価値あるパーツに注目だ。
 

実戦で得た知見を色濃く反映
 
ノーマル/スポーツ/トラックの3つのモードから走行状況に合わせた走りを選択できるスポーツ4WDシステム“GR-FOUR”のように、ラリー、ダートラ、耐久レース、ワンメイクなど、カテゴリーを選ばず「勝てるマシン」を作り込むことにたけたカーライフレヴォリューション K-one(以下K-one)。
 
母体の共栄タイヤサービスは名古屋市で1966年に創業した老舗の「街のタイヤ屋さん」として、地域に密着してカーライフを足元から支える一方、わずかハガキ1枚分の接地面積でクルマを支えるタイヤの重要性を知り尽くしていることから、K-oneではタイヤに付随するサスペンション、ブレーキを含めたトータルチューニングを提案している。
 
写真のGRヤリスは、ドライバー:山本悠太選手、コ・ドライバー:立久井和子選手のコンビで2021年の全日本ラリー選手権・JN1クラスを戦ったマシン。ちなみに同じコンビで22年はGR86にマシンをスイッチしてJN3クラスに参戦。最終戦までタイトル争いがもつれ込み、惜しくもシリーズ2位に。ラリージャパンでは先代トヨタ86ベースのマシンで完走を果たした。
 
いずれのマシンもレギュレーションに沿って徹底的な軽量化が施される。ドライバーを守るロールケージが張り巡らされ、フロア下にはボディを保護するアンダーガードを装着。
 
「可能なかぎり軽量化していますが、ロールケージとアンダーガードの重さで相殺されてしまいます」。そう市販車をベースにしたマシン作りの難しさを語る、K-one日進店の浅井保幸さん。日進店は競技車の製作に加え、サスペンションの仕様変更やオーバーホールも手がける。
 
GRヤリスはラリー以外でも、全日本の上位陣と地方戦の上位入賞者による全日本ジムカーナ選手権(JAFカップジムカーナ)で、JG5クラスの上本昌彦選手がK-oneカラーのマシンを操り優勝した。
 
カテゴリーにかかわらず、GRヤリスを速く走らせる肝になるのがブレーキとサスペンション。純正ブレーキはサーキットで周回を重ねるとローター、パッドともに温度が上昇しやすい。特に、ミニサーキットなどストレートが短くブレーキを多用しクーリングが満足にできない場面では、制動力が著しく低下するという。K-oneではモータースポーツのノウハウを注ぎ、温度上昇を招くローターへの攻撃性を抑えながら、ABSの作動や前後バランスに考慮したブレーキパッドを開発中だ。
 
1mmでもストロークを稼ぐ
 
そして、K-oneの十八番といえるアイテムが、モータースポーツで実績豊富なオーリンズとコラボした、オリジナルサスペンションの「K-oneダンパーシリーズ」。GR86/BRZカップの指定部品にも選ばれ、プロフェッショナルクラスでも高い装着率を誇る。
 
その理由は、ストロークを1mmでも多く稼ぐために自社で図面を引き、オーリンズに特注で製作を依頼しているから。通常ではストローク不足から底付きしてバンプラバーに当たるような状況でも、K-oneダンパーは底付きせず、挙動変化の少ないコーナリングが可能になる。
 
改造範囲の狭いワンメイクレースでコンマ1秒を削るために鍛えられたノウハウは、ストリート向けのセッティングにも遺憾なく発揮される。
 
伸び側/縮み側のバルブセッティングが独立して行えるDFV(デュアル・フロー・バルブ)や微低速から高速域まで理想的な減衰特性を発揮するPCV(パラレル・コンプレッション・バルブ)など、オーリンズ独自の機構を生かしながら限界域でのコントロール性を高めたフルオーダーシステムの「サーキットスペック」、スタビリティを重視し、ショートサーキットまでを許容する「スポーツタイプ」、乗り心地と操縦性を両立させた「ワインディングロードタイプ」と、シーンに合わせたオリジナルのスプリングを組み合わせてファインチューン。
 
ラリー、ジムカーナ、ワンメイク、スーパー耐久への参戦やレース会場でのヨコハマタイヤのタイヤサービス業務と、地域のタイヤ屋の枠を超えた活動で全国区の知名度を誇るK-one。日進店のほかに熱田店、瑞穂高辻店、札幌石狩店、FJクルーザーのパーツ開発に取り組む知立店の5店舗を展開中。さらに23年にはシーズンオフ中にスタッドレスタイヤを保管してくれる大好評の「タイヤ預かりシステム」をパワーアップした一宮店がオープン予定だ。
 
 

K-one
2021年の全日本ラリー選手権・JN1クラスへ参戦したK-oneレーシングチームのGRヤリス。22年はGR86でJN3クラスに参戦し、23年はタービンを新品に替え、エンジンのオーバーホールを施すなど、このマシンを仕立て直して参戦予定だ。
 
エンジンの改造は厳しく制限され、ターボ車はパワーを抑える吸気リストリクターの装着が義務付けられる。さらに、厳しいマフラー音量規制も。一方、サスペンションはダンパーやスプリングを自由に選択でき、セッティングの技とノウハウが試される。
 
 
 
K-one
●室内はノーマルの面影を残すものの、ダッシュボードにはマットブラックのスウェード表皮で防眩加工を施し、助手席側にラリーコンピューターを設置

K-one
●シートはブリッドのレーシングフルバケット「XERO MS」を装着

K-one
●燃料タンクや駆動系をアンダーガードで保護する
  

サーキットからストリートまでを許容
K-one
K-one DAMPER series
 
ベースのオーリンズ製ダンパーは、ストロークとスプリング・プリロード量を変えずに車高調整できる全長調整機構式。圧縮側のメインピストンとサブピストンを並列に設け、圧縮時のシリンダー内のオイルの流れをコントロールし、理想的な減衰特性発揮させるPCVや、伸び側/縮み側それぞれのバルブセッティングが独立して行えるDFVなどの独自機構を、K-oneの豊富なノウハウでファインチューニング。装着後の仕様変更やオーバーホールにも有償で対応。

K-one

K-one


K-one
控えめに見えてしっかり主張
 
GRヤリス用にエアロブランドの乱人(RANDO)とコラボしたオリジナルエアロパーツ「K-one STYLE」を設定。ラリーカーはフロントカナードパネル(価格:3万1900円)とリアゲートスポイラー(同:6万6000円)を装着。このほかフロントアンダースポイラー、メーターカバーをラインアップ。
 
K-one
 

頼れるパートナーになる
K-one
カーライフレヴォリューション
K-one 日進店
 
愛知県日進市本郷町法念寺647-1
TEL:0561-76-5555
https://www.k-one1966.com
営業時間…9:00〜19:00
定休日…月曜、年末年始、お盆、ゴールデンウイーク
 
 
K-one
K-one 日進店
浅井保幸さん
 
「日進店は競技車、瑞穂高辻店はストリートカスタム、知立店はFJクルーザーと店ごとに個性があるのが当社の特徴です」と浅井さん。老舗のタイヤショップという枠にとどまらず、カーライフに革命を起こす!
 
K-one
●失敗が許されないレースの現場で培われた技術とノウハウで、サスペンションやブレーキを的確に組み付ける。アライメントテスターやタイヤチェンジャーも最新型を導入
 
K-one
●日進店にある作業ルームでは、熟練のスタッフがオーリンズやKYB製ダンパーの仕様変更やオーバーホールを行う。バルブやピストン、オイルの粘度などを組み合わせて理想のセッティングを詰めていく作業は職人技だ
 
〈文=湯目由明 写真=伊藤吉行〉

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING