2023/03/08 旧車

スバル復権のために…初代レガシィ誕生。伝統のフラット4+4WDを継承[driver 1989年3-5号より]

●レガシィ 4ドアセダン RS


■1.8Lは2カム16バルブ

レガシィで注目されるのは、なんといっても全面新設計された3種の16バルブ・パワーユニット。スペックは2L4カム16バルブインタークーラーターボのEJ20が220㎰/6400rpm&27.5kgm/4000rpmと強力そのもの。ノンターボ4カム16バルブのEJ20も、可変吸気システムなどによって低速トルクを確保しつつ、150㎰/6800rpm&17.5kgm/5200rpmを、OHC16バルブのEJ18も110ps/6000rpm&15.2kgm/3200rpmのハイスペックを達成。レガシィは1.8〜2Lのパワーリーダーとなった。


●RSは0→400mを14.2秒(社内計測値)で駆ける

この3種のニューエンジンは、水平対向を知りつくしたスバルならではのもの。従来の3ベアリングを改めて5ベアリングにすることによりスムーズな高回転特性と優れた振動騒音レベルを達成。さらに、水平対向だからこそ可能なビッグボア&ビッグバルブ化とセンタープラグ配置により高能率急速燃焼を実現するなど、ボクサーエンジンのメリットを最大限に追求している。


●EJ20型DOHCターボ+インタークーラー


●EJ20型DOHC


●EJ18型OHC4バルブ

この強力なエンジンと組み合わせられるミッションはATがオールレンジ電子制御4速のE-4AT。ノーマルとパワーの2パターンを自動選択するシフトパターン自動切り替え機能を備え、変速ショックが極めて少ないなどの特徴を持つ先進のATだ。4WDのAT仕様は、E-4ATと電子制御MPTによる無段階トルク配分のアクティブトルクスプリット方式。5速MT仕様は、ビスカスLSD付きセンターデフ方式で、RSは大パワーに対応してプルタイプクラッチを採用、限界付近での後輪駆動力を高めるリヤデフ・ビスカスLSDも装着されている。

サスペンションは、フロントがLアーム、リヤがデュアルリンクによる4輪ストラット。大幅に引き上げられたボディ剛性をベースに、サス&ステアリングパーツの最適配置とチューニングを実施。ステアリングのリニア感を損なうヒステリシスやフリクションを最小限に抑え、ドライバーズセダンにふさわしい操縦安定性と乗り心地を達成している。開発段階においては、ベンツ190EやBMW325i、フォード・トーラスなどとともに走らせ、それらを超えるレベルを目指したという。

ボディ剛性はヨーロッパでの200㎞/hレベルの走行を前提にして大幅に高められているほか、表面処理鋼板を重量比で62%も採用、長寿命防錆ボディとしているのも特徴だ。

ハイパワーエンジンに合わせてブレーキも強力なものを装備。2L車は4輪ベンチレーテッドディスクとし、さらにRSはフロントに強力な2ポットキャリパーの専用15インチタイプを装着している。RSと4WD・VZには4チャンネルABSもオプション設定されている。

■パワーユニットは全タイプ新開発!

EJ型エンジンは、いずれもオーバースクエアタイプだ。バルブ径はEJ18がIN31㎜/EX27㎜、EJ20系が36㎜/32㎜と大きく、4バルブと相まって高い吸気効率を達成。さらに全エンジンが点火タイミングを積極的に最適制御するノックセンサー付き電子点火時期学習制御機構を搭載、とくにNAのEJ18とEJ20DOHCでは9.7の高圧縮比により高い燃焼効率を達成している。

EJ20系は、デスビ&高圧コードレスのダイレクトイグニッションやプラチナ電極プラグを採用する。ベーシックなEJ18は、狭角バルブのコンパクトな燃焼室を持つ実用域重視エンジン。燃料供給はエアフローメーター、インジェクターなどを一体化したスロットルボディインジェクションだ。EJ20は可変吸気コントロールにより低速トルクと高速域パワーを両立。ターボ付きは無鉛ハイオク仕様。タービンローター径52.5㎜の高速大容量ターボと水冷インタークーラーによって強力な性能を実現している。

ドライバーWeb編集部

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