2023/03/08 旧車

スバル復権のために…初代レガシィ誕生。伝統のフラット4+4WDを継承[driver 1989年3-5号より]

●レガシィ 4ドアセダン RS

自動車雑誌ドライバーが過去に取り上げた記事が今に蘇る「DRアーカイブズ」。今回は1989年3-5号の「NEWモデル スバル レガシィ」を振り返る。

◇◇◇

その名のとおり、スバル伝統のフラット4+4WD技術を伝承、かつ熟成・発展を図ったNEWブランドの誕生だ。世界中のあらゆる道路を実際に走破することで造り込んだというレガシィこそ、“走りのスバル”復権のための強力兵器だ!

■スバル新世代を担う主力モデル

レガシィは、スバルが総力を結集して完成した上級サルーン。排気量は1.8Lおよび2Lで、実質的にはレオーネの発展継承モデルというポジションだ。LEGACY(伝承物)という名称もその間の事情を端的に表わしていると同時に、水平対向エンジン、乗用4WDシステムなどのスバルならではのテクノロジーを伝承し熟成、集大成したクルマという意味が込められている。



もちろん、単にレオーネの遺産を受け継いだだけのクルマではない。実質的な機能やクオリティが強く求められるであろう1990年代を見据えて、「2Lクラスとして世界に通用するすぐれた基本性能、品質」「走りにおいて主張性のあるクルマ」「スバルの伝統あるハイメカニズムの継承、発展」をテーマに開発、各車がしのぎをけずる2L市場に参入したわけだ。なお、レオーネは1.6Lシリーズのみ継続生産される。


●ボンネット上に設置されるインタークーラー用エアインテークもターボ車のRS専用


●スポイラーはRSのリヤビューをグッと引き締める


●リヤアンダースカート、デュアルマフラーカッターもスポーティな印象を与える


●控え目なデカールがフロントドアに入る


●RSのフロントブレーキは、15インチの大径ディスク+2ポットキャリパーでハイパワーに応じた制動力を確保する

レガシィのボディは4ドアセダンとツーリングワゴンの2タイプ。ホイールベースは2580㎜とレオーネより延長され、全長、全幅はドライビング性も考慮しつつサイズアップ、インテリアはゆとりある居住空間を確保している。そのスタイリングは、ローノーズ・ハイデッキの基本フォルムを持つ正統的なもの。ボディの前後は絞り込まれ、スリークなブリスターフェンダーと張り出しの強いサイドシルがアクセントをつけている。キャビンはサッシュレスドア、ブラックアウトピラー、ラウンドしたリヤウインドーなどによるグラスラウンドキャビンを構成。スポーティな印象だ。RSはエアダム一体フロントバンパー、フロントグリル、スカート埋め込みハロゲンフォグランプ、フードエアダクト、リヤスポイラー、エアロアンダースカートなどを装着、15インチアルミ+205/60タイヤなどにより、他グレードとは一線を画す個性的な外観が与えられている。


●RSの運転席まわり。機能性と質感がうまくマッチしたムードを持つ。専用ステアリングはモモ製


●レッドゾーンは7600回転。中央上は図形表示の半ドアモニター


●RSのミッションは5速MTのみ。シフトノブは本革巻きタイプだ

インテリアは「信頼のおける、心おちつくヒューマンデザイン」がテーマ。ラウンドしたインパネや乗員を包み込むようにデザインされた室内空間を持ちながら、操作性や機能性も両立。シートはRS、VZ、その他のグレード用の3タイプがあり、RSはモモ社製の4スポークステアリングと革巻きシフトノブも備え、スポーツモデルらしいコックピットを形成している。


●RSのスポーツシートはサイド部の高さが大きく確保され、ホールド性がよさそうだ。硬度も高いという


●こちらも2人掛けとしてはホールド性が高そうだ。シートバック中央下のバックル収納ポケットは重宝だ

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING