2022/05/17 コラム

立候補するにもお金と忍耐が必要!? 参院選挙の事前説明会に迷い込んだ交通ジャーナリストの昔話

ちょうど30年前の潜入ルポ

第26回参議院選挙(2022年7月投開票)が近づくなか、「みんな選挙の一月前に開かれる『立候補予定者事前説明会』に出るといい」と畠山理仁さんがツイートした(https://twitter.com/hatakezo/status/1524788493251059713)。同氏の著書『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社e文庫)は私も読んだ。あんな面白い本を書ける人は他にいない。


●畠山理仁さんのツイートより(スクリーンショット)https://twitter.com/hatakezo/status/1524788493251059713

今回のツイートを見て、じつは「おおう!」となった。事前説明会、私は出たことがあるぞ。あんまり面白くって、どこかに記事を書いたぞ。遠い記憶をたどってみた。なんと、今からちょうど30年前、第16回参議院選挙(1992年7月投開票)の事前説明会に私は出て、バイク雑誌『モーターサイクリスト』(八重洲出版)に書いていた。そのコピーが発見された!

当時、同誌に私は「今井亮一の“バイクが下半身”」という見開き2ページの連載コラムを書かせてもらっていた。バイクにからめて、無理やりからめたふりをして、好き放題なことを書いたりしていたのだ。コピーを読み返した。けっこう面白いじゃん。少し加除訂正等して、ここに再掲させてもらう。はっきり言って、事前説明会、諸兄(諸姉)も出てみたらいいと思いますよっ。

☆☆☆1992年の『モーターサイクリスト』より☆☆☆

玄米はいい。ビタミンと繊維質をまとめて摂れるうえ、あごが疲れてたくさん食べられない。清貧に甘んじる者に最適だ。ある朝、玄米を噛みながら新聞を眺めてたら、こんな広告を見つけた。

≪ 参議院比例代表選出議員の選挙における政党その他の政治団体の名簿による立候補の届け出の手続き及び確認団体の申請の手続きについて事前説明会を次のとおり行います。日時(省略) 場所(省略) 中央選挙管理会 ≫

普通ならそんなの読み飛ばすとこだ。が、9つもの「の」でつなげた官僚っぽい文章に興味を引かれ、どの単語がどれにかかるのか、何度も読み返した。要するに「選挙について説明会をやるよ」という告知なのだね。へえ、今までぜんぜん気がつかなかったけど、選挙の前にはそういうのがあるんだぁ。

ここで私は、はたと箸を止めた。待てよ。官僚の告知に漏れがあるはずはない。参加資格や入場料が書いてないってことは、誰でも無料で入れると理解していいんだよな?

無料。この2文字になぜか私は弱い。いつまでも記憶に残る。そして説明会の当日、幸か不幸か天気がよかった。そうだ。昼めしでも食べがてら、ひとっ走り出かけてみるか。無料だし。

そんなふうにしてボク(※当時私は「ボク」と称していた)は、霞が関の合同庁舎2号館へ行ったわけ。いつもの格好、すなわち革ジャンとジーンズとオフロードブーツで、首にバンダナを巻いてバイク(※ホンダのCB250RS)に乗って。

ドライバーWeb編集部

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