2021/09/24 ニュース

三菱ふそう、大型トラックに2つの安全装備を国内初搭載…交通事故のリスクを低減

アクティブサイドガード実験風景


■アクティブ サイドガード アシスト1.0とは



大型トラックによる死亡事故のうち左折巻き込み事故が約25%を占めており、特に自転車による事故が多いという。大型車では衝突の際のエネルギーが大きいことから、死亡事故に至る確率が高く、左折巻き込み事故の死亡者数の約90%を大型トラックが占めている。


●アクティブサイドガード作動のメーター表示

こうした左折巻き込み事故を未然に防ごうと、三菱ふそうでは2017年に国内の商用車で初となる「アクティブ サイドガード アシスト」を搭載、大・中・小型トラックに展開してきた。車両左側中央に設けたミリ波レーダーユニット(車両右側には設定なし)で、車両の死角になりやすい車両左側の動く対象物(自転車など)や静止物(人)、車両を検知(2つのミリ波レーダーを角度を変えて設置することで、168度の範囲をカバーする)。左折時や左車線変更時に、助手席ドアピラーの室内側にある警報ランプで警告を行うというものである。車両の直進状態で自転車や人、車両を検知した場合には警報ランプが黄色に点灯(ブザー音はなし)、その状態で左折ステアリング操作や左ウインカーを出すと、警報ランプが赤色に点滅し、ブザー音が鳴るという仕組みだ。

今回のスーパーグレートの改良では、このシステムに被害軽減ブレーキ機能を新たに追加して「アクティブ サイドガード アシスト1.0」に進化した。移動している歩行者や自転車(検知範囲は車両左側から2m、車両の前後2m)に対して、警報が発せられているにもかかわらず、車速20㎞/h以下の領域で左折ステアリングや左ウインカーの操作をしたとき、衝突の危険があるとシステムが判断した場合に被害軽減ブレーキを作動。車両を減速・停止させることで衝突時の被害軽減を図る。被害軽減ブレーキ機能によって停止後は、メーターにメッセージが表示され、ブレーキ保持機能が作動。その後は、通常のアクセル操作によって発進が可能となる。

取材では、自転車に見立てた台車を大型トラック「スーパーグレート」に併走させて、20㎞以下の速度で走行し、左折する実験を行った。ドライバーが気づかずに左折すれば、前方に進む台車(自転車)は、曲がってくるトラックと接触してしまう。実験では、併走する台車を検知して被害軽減ブレーキが作動。トラックが緊急停止し、台車(自転車)は何事もなかったのようにレールに沿って前方に走り去った。三菱ふそうでは、必ずしも衝突を回避できるものではないが、衝突してしまった場合でも(トラック側の速度の低減によって)被害が軽減されたり、トラックの後輪との接触を回避できる可能性は高まると説明している。左折巻き込み事故の被害低減に向けて有用なアイテムといえるだろう。

「アクティブ サイドガード アシスト1.0」は、上級のプレミアムライン、プロラインに標準装備。エコラインは約15万円のオプションとなる。12速乾式単板クラッチ式AMT(オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション)だけに装備され、7速MT車への設定はない。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部