2021/09/23 ニュース

トヨタの水素エンジンカローラは日本を救う? 課題解決のため、レースの場を借りた水素社会の実証実験

スーパー耐久の鈴鹿大会(9月18〜19日)を走った水素エンジンカローラ

■今、何よりも欲しいのは水素仲間



水素を燃料とする水素エンジンを搭載したトヨタの「水素エンジンカローラ」が、3回目となるレース参戦としてスーパー耐久の鈴鹿大会(9月18〜19日)にエントリー。参戦1回目の富士大会(24時間耐久)、2回目のオートポリス大会(5時間耐久)に続き、5時間のレースで完走を果たした。

ガソリン車より燃料補充の回数が増える関係上、周回数的はST-5クラス(=ロードスターやデミオ/同ディーゼルなどが参戦)の最上位より20周以上少ないものの、スピードではその上のST-4クラス(=86が参戦)にも並ぶタイムをマーク。着実な進化を伺わせる結果となった。

この水素カローラは“カーボンニュートラル時代に選択肢を広げる”ために、水素社会の実現に立ちはだかる様々な課題に挑戦、その可能性を実証することを目的としている。豊田章男社長肝いりのプロジェクトでもあり、自ら“モリゾウ”のエントリー名で参戦ドライバーのひとりを務めているのも特徴だ。

その豊田社長は以前より「敵は内燃機関ではなく炭素」と訴えているのはご存知のとおり。カーボンニュートラルに向けて電動化を唯一絶対の正解とするのではなく、ハイブリッドや内燃機関などを含め、様々な選択肢を使い分けてトータルで効果的にCO2を減らす方法を模索すべきというのがその主旨で、それが日本で自動車産業に関わる人々の雇用を守り、日本の基幹産業を守ることにもつながると繰り返し主張している。

その選択肢のひとつが“燃焼させても水しか発生しない”水素というわけだが、実現にはまだかなりの研究余地が残るため、トヨタは一緒に動く“水素仲間”が喉から手が出るほど欲しいのが実情。つまり水素カローラはレースで水素エンジンをアピールし、共感を集める広告塔という側面もあるわけだ。実際、Jパワーや川崎重工、岩谷産業などがプロジェクト参画を表明するなど、水素を「使う」トヨタを軸に、「作る」や「運ぶ」企業を巻き込んで仲間の輪は広がりつつある。

つまり今、モリゾウ選手はカローラでレースに出て“水素は面白いよ、日本の未来はココにあるよ”とアピールし、そんな活動に賛同してくれる仲間を絶賛募集中…というわけなのである。

ドライバーWeb編集部