2021/05/06 新車

830馬力のV12エンジン搭載!フェラーリ812コンペティツィオーネ発表

●NAエンジンで830馬力!

フェラーリは5月5日、「812コンペティツィオーネ」と「812コンペティツィオーネA」を発表した。これは、「812スーパーファスト」をベースとしたリミテッド・エディション・スペシャルシリーズ。812コンペティツィオーネはクーペボディ、812コンペティツィオーネAはオープンボディ。Aはイタリア語でオープンを意味するアペルタ(aperta)の頭文字。



注目はなんといってもエンジン。812スーパーファスト譲りの6.5リットルV12・NAエンジンを専用チューンして搭載。最高出力は、フェラーリの市販エンジン車としては最強の830馬力を発生(電動モデルをのぞく)。最高回転数も史上最高の9500回転だ。

812スーパーファスト譲りとはいえ、コンロッドやピストン、クランクシャフトなど主要部品は細部まで再設計。コンロッドはチタン製でスチール製より40%も軽量。ピストンピンにはダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)コーティングを施し、摩擦係数を低減して性能向上につなげている。こうした改良に加えて、クランクシャフトはバランス取りを行い、これまでのものより3%軽量化。


●812コンペティツィオーネ

もっとも大きな改良点はバルブトレインとシリンダーヘッド。いずれも完全な新設計となっている。具体的には、カムシャフト(DLCコーティング)の回転でバルブステムを動かす装置は、DLCコーティングを施したスチール製スライディング・フィンガーフォロワーに変更。これはフェラーリのF1での経験から生まれた技術で、このエンジンのために特別に開発。バルブリフト特性を高めているという。

全回転域でエンジンが適切に空気を取り込めるよう、吸気システムも再設計。マニホールドとプレナムチャンバーをコンパクトにして経路の全長を短縮したため、高回転域でさらに大きなパワーを発揮させる。一方、トルクカーブをすべての回転域で最適化しているのが可変ジオメトリー吸気ダクト。吸気ダクトアッセンブリーの長さを絶え間なく変更し、点火順序に適合させることでシリンダーへの動的な充填を最大化。よってエンジンは驚異的な速度でレブリミットまで回転上昇、レッドゾーンまで谷が存在しなくなった。


●812コンペティツィオーネA

トランスミッションは、7速のデュアルクラッチ式。制御の変更で変速時間は5%短縮されている。ギヤレシオは812スーパーファストと同じだが、新V12エンジンの最高回転数がこれまでより500回転引き上げられたことで、一層スポーティなシフトチェンジが楽しめるという。



■エンジン諸元 ※812コンペティツィオーネ
種類:V12
総排気量:6496cc
ボア×ストローク:94.0mm×78.0mm
最高出力:610kW(830cv)/9250rpm
最大トルク:692Nm/7000rpm
最高許容回転数:9500rpm
圧縮比:13.5

■ボディサイズほか ※812コンペティツィオーネ
全長×全幅×全高:4696mm×1971mm×1276mm
ホイールベース:2720mm
乾燥重量:1487kg
燃料タンク容量:92L
タイヤサイズ:前275/35ZR20/後315/35ZR20

■性能
最高速:340km/h
0→100km/h:2.85秒
0→200km/h:7.5秒
フィオラーノ・ラップタイム:1分20秒

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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