2020/09/30 Q&A

初心者でもわかるホイール基礎講座 A to Z|インチアップで気をつけること|鍛造・鋳造の違い|

ホイールメーカーのウエブサイトやカタログを見ても意味不明な用語だらけ・・・そう感じている人に読んでほしい。ホイール選びをする前に「基礎知識」をしっかり頭に入れておこう。

ホイール各部の名前と意味



インチアップするとどうなる?



ドレスアップの定番。インチアップとは、タイヤの外径サイズは純正とほとんど変えることなく、ホイールの外径サイズを大きくする手段で、それに伴いタイヤは扁平な(薄い)ものに替える。例えば純正サイズが「195/65R15」だった場合、1インチアップなら「225/50R16」、2インチアップなら「245/40R17」となる。ちなみにタイヤの外径サイズが大きく変わるとメーター誤差(車検非適合)やパーツの干渉などが起きるので注意が必要だ。

インセットって何?



ホイールの取り付け部分がリム幅のセンターからどれだけズレているのか(外側をインセット、内側をアウトセットと呼ぶ)を示す数値。適正な数値は車種やグレード、リム幅などによってそれぞれ異なり、これが合っていないとホイールがフェンダーからはみ出してしまったり(車検非適合)、ブレーキキャリパーやブレーキディスクなどのパーツに干渉して走行ができなくなってしまう。インセットが変わることで見た目も走行性能も違いが出てくる。

P.C.Dって何?



「Pitch Circle Diameter(ピッチ・サークル・ダイヤメーター)」の略で、ハブボルトが通る各ホールの中心線を結んだときにできる円の直径。国産乗用車の場合ほとんどはメーカーを問わず100mmや114.3mmだが、輸入車ではメーカーごとに異なるのが珍しくない。BMWは120mm、メルセデス・ベンツは112mm、プジョーは108mmを採用している。P.C.Dが異なるホイールを装着するには特殊なスペーサーが必要で、製品によっては信頼性に影響が出ることもある。

1ピース、2ピース、3ピースって何?



アルミホイールの構造を示すもので、1ピース、2ピース、3ピースの3種類に分けられる。
1ピースはその名のとおり一体成形されたもので剛性を確保しやすい。作りもデザインもシンプルなため比較的製造コストを下げやすく、手が届きやすい価格のモデルも多い。
2ピースはリムとディスクの2つのパーツから構成されている。インセットの変更がしやすいためオーダーメイドできる点で人気。
3ピースはアウターリム、インナーリム、ディスクの3つのパーツから構成されている。オーダーに合わせて細かなカスタマイズが可能だ。

鍛造、鋳造の違いがわかりません!

〈鍛造〉


アルミ合金の塊に巨大なプレス機で圧力をかけて整形をする製造方法。金属の内部組織が緻密になるため高い強度を確保でき、その分肉厚を薄くして軽量化が図れる。アルミホイールに理想的な軽量、高剛性が実現できるためモータースポーツなど過酷な環境でも使われることが多い。一方で製造コストがかかり高価格になる。

〈鋳造〉


現在の一般的な製造方法で、金型に溶かしたアルミ合金素材を流し込んで成形をする。さまざまなデザインの製品を作ることができ、大量生産に向いていることからコストも抑えられる。近ごろは独自の技術によって剛性を向上させるメーカーも増えてきている。市場のアルミホイールのほとんどは「鋳造」タイプだ。

作り方が違うと、どうなるの?


「鋳造(ちゅうぞう)」や「鍛造(たんぞう)」という言葉を一度は耳にしたことがあるだろう。これはアルミホイールの製造方法で、大きく分けてこの2種類がある。広く普及しているのは「鋳造」で、商品バリエーションが豊富なうえに手が届きやすい価格のものも多い。一方で「鍛造」は製造メーカーが少なく価格設定も高めだ。

材質の違いを教えて!



純正でおなじみの鉄ホイールは凝った形状を作れないため、乗用車では樹脂製のキャップを組み合わせることが多い。安価だが重量は重い。アルミホイールはデザイン性に優れているうえ軽量化も図れ、さびにくいという特徴もある。ご存じのように現在の標準だ。
マグネシウムホイールはアルミホイールに比べて超軽量ではあるもののさびやすかったり衝撃に弱いなど扱いづらい面がある。製造コストも高い。
カーボンホイールはカーボンファイバー製でポルシェやフェラーリなど限られた車種向けに設定。徹底した超軽量、高剛性を誇る次世代の製品だ。

今人気なのは何色?



定番のシルバー以外にもゴールドやホワイト、ガンメタリックなど、ほとんどのモデルでカラーバリエーションが用意されている。最近は一部分を削って地肌の輝きを見せる切削タイプも人気が高い。また、ブラックとシルバーの2トーンなども増えてきている。
モデルによっては注文に合わせて好きな色を塗ってもらえるカスタマイズカラーもある。好みのホイールをショップに持ち込んで自分だけのオリジナルカラーに仕上げてもらうのもいい。

ホイールの刻印は何を表している?



アルミホイールをよく見ると「JWL」、「VIA」といったマークが刻印されている。
JWLは国土交通省の「乗用車用軽合金ディスクホイールの技術基準」にクリアしていることを示し、VIAは第三者機関である自動車用軽合金製ホイール試験協議会の審査をクリアしていることを示す。これらのマークが刻印されていないと、車検には通らない。

取り付けるナットって特殊なの?



国産車は車両側のハブボルトにナットを使ってホイールを装着する。輸入車の多くはボルトを使用。トヨタ車用のナットは日産車に使用できないなどメーカーでサイズが異なる場合がある。また、純正アルミホイール用ナットと市販アルミホイール用ナットで形状が異なる場合もある。ホイールとナット形状を確認し、適切なものを使用しよう。

デザインでクルマのイメージって変わるの?



定番は「スポーク」で3〜10本程度までとスポークの本数はさまざま。スポーティな雰囲気で、脚長感と言えばこのホイールを指すことが多い。多くの細いスポークで構成されているのが「フィン」。「メッシュ」は網目状の細いスポークが絡むもので目が細かいと落ち着いた感じ、粗いと走りのイメージが高まる。「ディッシュ」は重厚感を漂わせるもので、名前のとおり皿を伏せたような形状だ。ラギット感はギラギラした雰囲気のホイールのことを指す。

ホイールを変えると、走りも変わる



昔から「オシャレは足元から」なんていう言葉があるが、これはファッションだけでなくクルマのドレスアップも同じ。ホイールを替えるとクルマ全体の印象がガラリと変わるものだ。純正ホイールであっても、鉄ホイール+ホイールカバーを履いたベーシックグレードと、アルミホイールを履いた上級グレードではパッと見でも見栄えがグッとアップするもの。だから純正品をデザインやカラーバリエーションが豊富な市販品の大径モデルに交換すれば、見た目の違いは絶大だ。しかも単純に人と違う、というだけでなく自分らしいスタイルを強くアピールすることが可能。高級感をプラスしたり、走りのイメージを強めたり、アウトドア感を高めることもオーケー。自在に楽しめるのだ。
また、ホイール+タイヤの重量が純正よりも軽くなれば走行性能の向上が期待できる。サスペンションの動きがよくなり、ハンドリングがシャープになったり、乗り心地も向上する。加速性能やブレーキ性能を高める効果もある。それはほとんどの人が体感できるほどの違いだ。


ホイール豆知識(1)盗難を防ぐロックナットとは!?


大切なホイールの盗難を防ぐアイテム。ナット4本または5本のうち1本だけ上部に特殊な溝が彫られた形状となっており、その形状に合わせて作られたアダプターをレンチに組み合わせて使用しないと取り付けや取り外しができない。同じ製品であっても、それぞれ溝の形状が異なっているのでセキュリティ性はきわめて高い。

ホイール豆知識(2)鉄からアルミに交換すれば燃費アップ!

エコタイヤ同様に燃費向上をコンセプトに開発されたエコホイールもあり、モデルによっては鉄ホイールの2/3程度の重さになるため燃費の向上が期待できる。もちろん軽さを売りにしている鍛造モデルなども燃費向上に効果的ではあるが、インチアップなど見た目優先で径を大きくすると逆に純正ホイールより重くなるので注意が必要だ。

〈文=浜先秀彰〉

ドライバーWeb編集部

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