2020/05/13 Q&A

新型コロナでマスク装着。オービスに撮られてもセーフか!?

■マスクがあれば逃げられる…それは都市伝説か?

「当面“移動式オービス”設置し取締り…外出自粛で交通量減も“スピード違反は増” 国道41号に 岐阜」と2020年5月11日、東海テレビが報じた(https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20200511_126076)。以下はその一部だ。

「新型コロナウイルスによる外出自粛で交通量が減る一方、スピード違反が増えています。岐阜県警は11日、下呂市の国道41号線沿いに移動式のオービスを設置し、スピード違反を取り締まりました。新型コロナウイルスによる外出自粛で交通量が減る一方で、スピードを出す車が増えていることから、警察は幹線道路での取り締まりを始めました」

なるほどねぇ、である。取り締まりを厳しくすると聞けば、スピード違反の常習者はびびる、そこを期待しての報道(=警察発表の要約)なのだろう。

いちおう言っておくと、警察が「移動式オービス」と発表することはない。必ず「可搬式」と発表するのだそうだ。しかしマスコミは可搬式という言葉を嫌がる携行があり、ネットで特段の根拠もなく定着している「移動式(移動)オービス」を使うことがある。

このニュース報道に映っているのは、日本のオービスの老舗メーカー、東京航空計器の可搬式、LSM-300だ。


●東京航空計器の可搬式オービス、LSM-300の取扱説明書より

それでだ、新型コロナウイルスで今やほぼすべての人が外出時はマスクをつけている。クルマの車内でもマスク着用の人が多い。そうすると、こんな疑問が生まれる。

「オービスに撮影されてもマスクで顔が隠れていればセーフなのか!?」

■効率とメンツの狭間で

オービスの取り締まりは、現場では測定&撮影を行うだけ。あとで違反者を郵便で(ときに電話でも)呼び出し、警察へ出頭させて違反切符を切る。呼び出しの郵便に対して知らん顔の者もいるし、「今忙しいので」などとずるずる出頭しない者もいる。だいぶ手間がかかることがある。

取り締まりは効率が大事だ。素直に出頭してくる者だけを取り締まり、めんどくさい奴は後回し。時効の3年を経過させてしまう、そんな担当警察官もいるようだ。

しかしっ! それで取り締まりを逃れた運転者が「マスクで顔を隠してれば大丈夫。オービスは怖くない(笑)」なんてネットで言いふらしては、警察のメンツはまるつぶれだ。

違反車両のナンバーはわかっているし、あちこちに監視カメラもある。きりきり捜査して逮捕し、みせしめのため実名で全国報道させることがある。

オービスは基本的に違反車両の前面を撮影する。そこで前部のナンバーを取り外した乗用車や、前部にナンバーのないオートバイで、オービスの設置場所でかっ飛ばして逮捕されるケースもときどきある。そういう裁判を私は何件か傍聴した。

■警察官のやる気による!?

警察としては、逮捕令状をとって逮捕するのはめんどうだ。なので敬遠する警察官もいれば、「ふざけんな!」とかえってファイトを燃やす警察官もいる。

新型コロナウイルスで多くの人がマスクを着用しているこの時期、「オービスはマスクでセーフだ」というデマが流れては困る。これまで以上に、がつんと逮捕して実名報道ってことになりやすいんじゃないかな。

マスクを着用していても、目や眉や頭髪、服装、アリバイなどからそれなりに特定できる。それなりに特定されればアウト、どんなに否認しても必ず有罪にされると思っておくべきだろう。

以上は、オービスについての一般論だ。可搬式オービス・LSM-300に限っては、どう言えばいいんだろ、取り締まりの役にはほとんど立たないようだ。そこはディープな話になる。また今度。

とにかく、スピードが高いほど危険認知が遅れる。制動距離が伸びる。衝突時の被害が大きくなる。取り返しがつかないほど大きな被害となることがある。そのことは、新型コロナにもオービスがどこうにも関係ありませんので!

〈文=今井亮一〉

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