2020/06/04 コラム

なぜ「787」はもてはやされる? マツダ&ボーイング&JR九州…偶然一致した偉大な乗り物たち


■787の名前を持つ乗り物 その1

「マツダ787B」の由来は2代目サバンナRX-7の開発コードから


●1991年 日本車初のル・マン24時間レース総合優勝を成し遂げたマツダ787B

前述のようにマツダのみならず日本のレース界にとっても輝かしい歴史を持つ「マツダ787B」。その名前の由来は1983年に開発されたプロトタイプカー「マツダ717C」の話にまで遡ります。じつはこのプロトタイプカーを開発していた時期にマツダは量産スポーツカーの開発にも着手していました。それが2代目「サバンナRX-7」(FC3S型)です。この2代目の開発コードは「P747」でした。その「P747」(つまり2代目のサバンナRX-7)の発売が予定されていた年の3年前にデビューが予定されていたプロトタイプカーは数字を3つ(3年分?)遡った717をマシン名として採用したのです。ちなみに参戦したのはグループCジュニアというカテゴリーです。

「マツダ717C」はそれまでは初代サバンナRX-7をモディファイしてレース活動を行ってきたマツダが初めて作った純レーシングマシンでしたが、その名前にはそれまで戦って来たサバンナRX-7とのつながりがしっかりと残されていたのです。

以降マシンのネーミングは新型の開発・投入に合わせて、727→737→757→767→787と進化していきます。マツダ787は1990年にル・マン24時間レースに参戦していますが翌91年はレギュレーション改定のさなかロータリーエンジンの扱いが微妙な時期であったために新型といってもいいほどの大幅な改良を施したにも関わらず797という新しいネーミングではなく、すでに参戦実績のある787の改良型として「787B」というネーミングとなったそうです。

797という新型でエントリーしていたら出場できなくなる可能性すらあったそうです。

結局1991年を最後にル・マ24時間レースではロータリーエンジンの使用が認められなくなりますが、出場できる最後の年に偉業を成し遂げた「マツダ787B」は日本車初の総合優勝を成し遂げたマシンであると同時にロータリーエンジンの最初で最後、そして唯一のウイニングマシンとなり歴史にその名を残すこととなります。


●4ローターのR26Bエンジンはパッと見てもどこに搭載しているのかわからないほどコンパクトです

ちなみに747がないのは元となったサバンナRX-7の開発コード「P747」と重複するからで、777がないのは「なななななな」が発音しにくいという理由だそうです。かつてマツダは輸出車にマツダ323(日本名 ファミリア)、マツダ626(日本名 カペラ)など両脇に同じ数字を使った名前を使っていましたが、「マツダ787B」のネーミングの起源は量産車の名前ではなく2代目サバンナRX-7の開発コード「P747」に由来するものでした。


●優勝から29年経った今でもマツダ787B関連グッズの人気は高く種類も豊富です 最先端の技術で世界中の空を旅する「ボーイング787」

ドライバーWeb編集部

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