2020/01/22 コラム

〈達人に聞くスバルチューニングの勘どころ〉WRXカスタムは ここを押さえろ!【スバル WRX STI 栄光の軌跡とチューニングの基本】

スバルを得意とするチューニングショップは多いが、「プローバ」はモータースポーツを長年経験してきただけに、その信頼性や性能に対するこだわりが非常に強い。そんなプローバを取り仕切り、自身もドライバーでもある吉田さんに、WRXカスタムの勘どころを聞いた。


PROVA 代表取締役社長 吉田 寿博さん
●全日本ツーリングカー選手権やN1耐久〜スーパー耐久、ニュルブルクリンク24時間にも参戦。プローバの社長を務め、レーシングカーやパーツ開発にも携わる。スバル車を熟知しているだけに、チューニングのアドバイスも的確だ

まずはノーマルを知るべし

スーパー耐久シリーズでは2002年と05年にシリーズチャンピオンになり、ニュルブルクリンク24時間耐久レースにも05年から参戦。ワークス体勢になったNBRチャレンジの礎を築いたのが、スバルのチューナーとして名高いプローバだ。

プローバを率いるのは、自らドライバーとしてS耐やニュルでインプレッサWRX STIのステアリングを握ってきた吉田寿博氏。EJ20ユニットはずっと関わってきた相棒だ。

「GC8(初代インプ)やBC/BFレガシィのころは下がスカスカで、ターボが効き始めるとグワーっと加速する『ジャジャ馬』的な印象でした。02年のマイナーチェンジでエキゾーストが等長等爆になって、格段にポテンシャルが向上しました」と、EJユニットの変遷を振り返る。

どの世代のモデルにも共通するのが「乗りやすさ」だ。「レースではドライでもウエットでも、タイヤを履き替えるだけで安定して走れる。特に天候が目まぐるしく変わるニュルで感じたのが素直なハンドリング。低重心のEJユニットやAWDも含めて、パッケージとして完成されているので、長時間運転しても負担が少ないのです」と、自身の経験を踏まえながらその走りを高く評価する。

プローバではモータースポーツで得たノウハウを、ストリート向けのチューニングパーツにフィードバック。どのアイテムにも共通するのが「装着した効果をしっかり体感できる」こと。加えて、マフラー=藤壺技研工業、サスペンション=オーリンズといった、プローバの「味」を忠実に再現してくれる、各ジャンルのトップブランドと共同開発を行う。

現行WRX STI/S4カスタムのファーストステップとしてオススメなのが、「リジカラ」と呼ばれるクロスメンバーカラー。クロスメンバーとシャシーの隙間に挟み込み、締結力を高めて余分な動きを防ぐことでリニアな操舵フィールが得られる。

走る・曲がる・止まるに関わる部分では、オーリンズのサスペンションキットや、ブレーキタッチを改善するホースとパッドの変更が効果的。

「まずはノーマルの素性を知ることが大切。もの足りない部分を把握することが、無駄のない、満足度の高いカスタムへの近道です」
数多くのスバル車を手掛けてきたからこその説得力がそこにある。


まずはここから
プローバお薦めアイテム


クロスメンバーカラー
価格:フロント…2万2000円 リヤ…2万2000円

●シャシーと足まわりをつなぐクロスメンバーの位置を補正し、不要な動きを抑えることで操舵時のリニアリティが向上。ブッシュ自体の硬度を変えないので、音や振動、乗り心地を変化させずに操舵フィールのみを改善


オーリンズ 専用サスペンション
価格:44万円

●全長調整式、減衰力26段調整のオーリンズDFVをベースに、Hyperco製スプリングをセット。高速域での圧倒的なスタビリティと優れた接地性で、街乗りからサーキット走行まで幅広いシチュエーションに対応する




PROVA
TEL:045-591-5501
http://www.prova.co.jp

1980年にスタートしたプローバは、スバルに特化したチューニングのプロ集団。耐久レースなどで鍛えられた高性能/高品質なアイテムを開発・販売。もちろん、ストリート用は安心の車検対応品となる。第三京浜の都築ICの近くにある横浜ガレージでは、パーツの取り付けのほか、チューニングの相談にも乗ってくれる。来店には事前の予約が必要。

〈文=湯目由明 写真=driver@web編集部〉

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